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【大リーグ】

ダル、野茂越えの14勝目 6回2死までは“パーフェクト”

2012年9月5日 紙面から

◇レンジャーズ8−4ロイヤルズ

 【カンザスシティー穐村賢】レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)は3日(日本時間4日)、敵地でのロイヤルズ戦に先発し、7イニングを3安打3失点、6奪三振で14勝目(9敗)を挙げた。この日は低めへの制球もよく、6回2死までは1人の走者も許さない“パーフェク投”を披露。直後の際どい判定の四球から3連打を浴び、3失点したが、安打も失点もこの回だけだった。7回終了時で球数87。自身初完投も期待されたが、今後も見据え、お役御免となった。日本人投手の1年目での14勝は、2002年の石井一久(当時ドジャース、現西武)に並ぶ記録。07年の松坂大輔(レッドソックス)が持つ最多15勝越えも時間の問題となってきた。

 3回を終えた時点で早々とロイヤルズのベンチ内が騒がしくなった。

 ロ軍のヨースト監督が明かす。「コーチと『ノーヒッターをやられてしまうんじゃないか』って話していた。いろいろな球種でスピード差をつけていて、制球も素晴らしかったからね」。それほどの快投だった。

 実際、6回2死までは17人連続凡退の完全ペース。ヒット性の当たりも好守に救われるなど“空気”が漂い、当のダルビッシュも「その日の球に合わせてコントロールできてきた。今日はコントロールもずっと良かった」と手応え十分。カットボールとカーブ主体に組み立て、勝負どころでスプリット。ロ軍打線はなすすべなく、いたずらに回を重ねた。

 1球の判定で流れがにわかに変わった。“18人目”の9番ジアボテラに対し、フルカウントとすると、決め球に選んだ外角スライダーもわずかにコースを外れた。普段は全く感情を表に出さないダルビッシュもマウンド上でしゃがみ込み、しかめっ面。「(狙いより)ちょっと外にいった。投げ終わったときはストライクじゃないのと思ったけど、映像を見直したら、ちょっとだけボール。切れが足りなかった。別にパーフェクトとか、どうでもよかった」と試合後は苦笑いを浮かべたが、本音だったか。直後に3連打、3失点。完全に詰まらせた打球が中前にポトンと落ちるなど不運も重なったとはいえ、ボールは正直だった。

 ただ、それまでの快投が色あせることはなく、ダルビッシュ本人も「打たれたボールも悪くはない」と納得の表情。ワシントン監督も「力強かった。楽しんで投げていた」と絶賛した。87球7回降板についても「後ろに最高の救援陣がいるからね。彼らに任せただけ」とゲームプラン通りだったことを明かした。

 プレーオフ進出に向けた争いが佳境に入る中、最近4試合で3勝1敗(防御率2・93)と再び調子を上げてきた。「チームが勝つことが大事。それが僕が一番目指してること。チームに勝てるチャンスを自分がつくれていることに満足している」。残り28試合、あと5回は先発機会がある。松坂の1年目勝ち星(15勝)越えは確実。今のダルビッシュならば、松坂が2年目に挙げた18勝(日本人年間最多勝)越えも十分にある。

 

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