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名古屋家庭裁判所長
加藤幸雄(かとうゆきお)
(昭和25年12月18日生)
家庭裁判所での本格的な勤務は,前々任地の那覇家庭裁判所に次いで2回目です。ここでの執務を通じて,家庭裁判所は,社会を構成する基礎単位である家庭の安定と,我々の将来を託す少年の健全育成を目的とするもので,地味ではあるものの,大変重要な役割を果たしているとの認識を強めた次第です。
ところで,家庭裁判所の特色を1つ上げよと問われたならば,「未来志向の裁判所」と答えることにしています。すなわち,地方裁判所の仕事の主要部分は,過去の事実関係を確定したうえで,これを法律に当てはめ,どのような権利義務が発生するか(民事事件),どのような刑事責任を負うべきか(刑事事件)を判断することですが,家庭裁判所の場合,この作業に加えて,損なわれた家庭をどのように修復するか(家事事件),少年の健全育成にふさわしい環境をどのように整備するか(少年事件)というように,将来を見すえた解決を探究することが多いといえます。
このような特色を有するが故に,通常の裁判官(家事審判官)や書記官のほかに,人間関係諸科学の専門家である家庭裁判所調査官制度を設けたり,豊富な経験と知識を有する家事調停委員や参与員らによる関与が定められていると思います。
私も,こういった多くの職種の人たちと協働し,今まで以上に名古屋家庭裁判所が地域の人々にとって身近で頼りがいのある裁判所となるように微力を尽くす所存です。