九州電力:体育館敷地の売却検討 福岡市に返却打診
毎日新聞 2012年09月04日 02時30分
九州電力が、福岡市に無償貸与している「福岡市九電記念体育館」(同市中央区)の土地について、売却を前提に、返却を打診していることが3日、分かった。九電の12年4〜6月期連結決算は、原発停止による代替燃料費が膨らんで1009億円の最終(当期)赤字を計上し、経費削減の一環として土地売却を検討している。しかし、体育館を運営する福岡市は、年間約12万人と利用者が多いため、難色を示している。
九電は02年、福岡市が予定していた新市民体育館建設を財政難で中止したため、体育館の建物を無償譲渡した。土地は無償貸与とし、現在の契約期限は13年3月。市は現在、記念体育館と市民体育館(同市博多区)に代わる拠点体育館の建設を計画。仮に九電以外の第三者が地権者になった場合、体育館が使用できなくなったり、賃料の発生を市は懸念。拠点体育館が開館する18年ごろまでの使用を九電に求めている。
記念体育館は64年、九電の創立10周年を記念して建設。74〜80年には大相撲九州場所が開かれ、05年の福岡沖玄界地震では避難所にもなり、現在は市民のスポーツ大会やコンサートに使われている。