名古屋グランパスのMF田口泰士(21)が4日、新司令塔へ名乗りを上げた。1日の柏戦では巧みなパスさばきで勝利に貢献し、ストイコビッチ監督から「バルセロナのシャビだ」と大絶賛された。今やスペイン代表の世界的プレーヤーに例えられる存在となった田口が、グランパスの逆襲を支える。
プロ入り3年目の昨季までJ通算4試合しか出番がなかった男が、今やグランパスの中盤に不可欠な存在になった。柏戦でのパフォーマンスは圧巻。大小のパスで攻撃のリズムをつくり、守りでも労を惜しまず走り回ってピンチの芽を摘み、1−0の完封勝利に導いた。
“陰のMVP”と呼べる活躍を、ストイコビッチ監督は試合後の記者会見でほめちぎった。「バルセロナのシャビのような選手だ。いい司令塔になっている」
シャビはサッカー界のレジェンドの一人。バルセロナでは司令塔として黄金時代を築き上げ、スペイン代表としても南アフリカ・ワールドカップ(W杯)で優勝した。ピクシーの「シャビ」発言は、田口を真のゲームメーカーと認めた証しだ。
今季はJリーグでスタメン出場が12試合を数え、チームメートが田口を見る目も変わってきている。MF藤本は「イージーなミスが少なくなってきたし、プレーが柔らかい」と成長を認め、MFダニルソンも「タイシはチャンスを生かしている。誰もが信頼しているよ」と語った。
ストイコビッチ監督が採用している4−3−3システムの肝は、田口が務めるワンボランチのポジション。田口は「ノッている時、自然と空いているところが見える。柏戦のようなプレーを続けていかないといけない」と自信を口にする。“名古屋のシャビ”が、グランパスをバルセロナのような最強チームへと進化させるか。
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