「チェイス」を彩る俳優陣へのスペシャルインタビュー。
第3回は、檜山基一を演じる斎藤工さんにお話を伺いました。
Q. キャスティングを聞いて
―― 最初はまだ全キャストのお名前は聞いていなかったんですけど、いい意味で恐ろしいところに自分が入っているなと(笑)。でも感謝の気持ちがたくさんありました。なんで僕なんだろうっていうくらい、すさまじい面々の中に自分の名前があったのが驚きでしたね。
Q. 脚本を読んで自分の役をどう思ったか
―― 僕が台本を頂いた時は夜だったんですね。その日は全部を読まずに寝ようと思ったのですが、第1話を読んで…気付いたら最終話を読んで…なんかアドレナリンが出まっくている感じがしましたね!
文字を読んでる感覚じゃなく、物語の中に吸い込まれていくような。台本自体にすごくリズムがあって、気付いたら飲み込まれてましたね。たぶんキャストの方の存在感もあると思うんですが、こんなに引力の強い台本には初めて出会いました。
Q. 基一はどんな人物
―― 全6回の中で一番変化していく人間のような気がしています。基一は大富豪の家に生まれて、父親とのさまざまな葛藤もあり、自分の実体験とはかけ離れた人間なんですが「さみしい部分」が自分と共通していると思っています。見ている人にもその寂しさの部分で共感して頂ける…このドラマのストーリーは春馬の目線だけじゃなく、色々な登場人物の目線で描かれているので、基一のストーリーは実は、見て下さる視聴者の方々が“一番見やすいストーリー”なのかなと。
税金のことや脱税のことにあまり知識が無いんですよね。もちろん会社のトップにいる頭の回転の速い男でもありますが、お金や日本の法律の裏側を知っていく基一は、お客さんのストーリーテラーになる役、という気がしています。
Q. 基一なりの、父との関係
―― 莫大な資産=お金と肉親とを、それは優先順位が付けられないもの。を分かった上で、順位付けしようとしている基一。もちろん表向きは最大のスキームを遂行しようとするんですが、長い間一緒に過ごしてきた父親とスキームが関わってくるわけですから、葛藤が確実にあるだろうなと。そこまで冷徹でいられない基一というのはとても人間っぽく、また、どんどん無邪気に、子供になっていく気がします。
虚勢を張っていたり周囲に対して鎧を着けていた部分が“だんだんはがれていく基一”を見せられたらいいなと、基一に与えられている課題はそこがキーワードであると思います。
Q. 村雲に対しての基一
―― ベストパートナーにしたいと思っている人物で、自分に無いものをふんだんに持っている男だと思うんですよね。基一がスキームを実行するうえで、「自分も頑張りたい」というか、彼と対等な関係になりたいことで基一が引き上げられるような存在でもあるんです。でもどこか絶対にかなわない男でもあり、もしかしたら父親以上に“無敵”なはずだった基一の人生を狂わせた男ですね。
Q. 現場でのARATAさんは
―― 10年以上前にモデルをやっていた時に大先輩でARATAさんがいらっしゃって。当時何度か一緒にお仕事をさせて頂きました。当時からARATAさんの周りはちょっと“後光が差してる”というか(笑)空気が違うんですよね。
その不思議な、でもナチュラルな雰囲気が村雲の役に入った瞬間に、不気味なオーラとして出ているのが…ARATAさんにしか出来ないことじゃないかと。今のARATAさんの村雲というのはとても素晴らしいと思います。
また、村雲はとてつもなくスケールの大きな男なので基一も恐れてるところはあるんですが、普段のARATAさんは非常にやわらかい方で、なんか…幸せをくれます(笑)この言い方は失礼なんですが、赤ちゃんや可愛い子犬とかを見た時に、心が温かくなる感覚に似ているんですね(笑)“仏さま”の様なお顔に見えるんです(笑)これは麻生さんもそうなんですが、脱税チームは“ありがたい”方が多いなと思います。脱税チームですが実はなごやかに、穏やかな面々が揃って楽しくやっております。
Q. みどころ
―― 「この人が犯人だ」というのが見えない、新しい犯罪と立ち向かう主人公のドラマで、見えない敵とどう戦っていくのかが最大の魅力だと思いますね。
敵を巨大にするのもたいしたことのないレベルにするのも本人次第かなと。対象があるようで無い、追うもの追われる者、タイトル通りチェイス。今までありそうでなかったドラマで、あっという間に1話1話が過ぎてく土曜9時になると、確信しております。