韓国の家計の債務返済負担が、米国経済を金融危機へと追い込んだ2008年のサブプライムローン問題当時の水準に近づいているとして、韓国銀行金融通貨運営委員会が警告を発した。
同委の7月の議事録によると、金融通貨委員の1人は「韓国経済のDSR(債務返済比率)が2007年のサブプライムローン問題表面化当時の米国の家計の水準に近づいた。家計債務のリスクを示すシグナルとして留意すべきだ」と指摘した。
DSRとは家計の年収のうち、元利金返済に充てた割合を示す指標だ。韓国でも銀行業界で活用されている。米国のDSRは07年第3四半期(7-9月)に14.08%でピークに達したのに続き、同年第4四半期(10-12月)にも14.02%と14%を上回った。米国でDSRがピークとなったのは、米国の不動産バブルが最も深刻化した時期の直後に当たり、その後米国の住宅相場は急速に下落し、08年の世界的な金融危機を招く主因となった。
韓銀は韓国のDSRが2010年の11.4%から昨年には12.9%に高まり、今年3月末には14%を超えたと試算している。特に所得下位20%の層の債務者のDSRは23%を超えたとされる。韓国でDSRが急上昇したのは、最近2-3年の負債の増加ペースが所得の伸びを上回ったためだ。