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News - スペシャル

交 流 ~東日本大震災~

2011/06/09

電気新聞では、今回の震災に関するエピソードやメッセージを広く募集いたしました。皆様からお寄せいただいたエピソード・メッセージを以下にご紹介いたします (敬称略)。


「福島第一原子力で働く皆さまへ」


 学校法人作新学院(宇都宮市)中等部の生徒たちが、東京電力福島第一原子力発電所で働く人たちを応援する手ぬぐい約500本を作成、東電に届けた。生徒会長の山野上一輝さん(3年)が代表して作成した、手ぬぐい一本ずつに添えられたメッセージを紹介する。

 福島第一原子力発電所で作業にあたっておられる皆さまへ
 皆さまのご苦労、そして作業されている姿はメディアを通し私たちに伝えられています。そのお姿を見るたびに「この方々がいるから、私たちは生きていられるのだ」と実感しています。
 それと同時に、「ただ見ているだけではだめだ」「何かできることをしよう」という思いに駆られます。生徒みんながこの思いを、私たちなりに精いっぱいの形にしてみました。表現は様々ですが、私たちの気持ちはたくさん込めました。この手ぬぐいはどんな使い方をして頂いてもかまいませんので、お役に立てて頂ければと思います。
 私たちも、命をかけて頑張って下さっている皆さまを思いながら、毎日に感謝し、今自分たちに出来ることを精いっぱいやっていこうと思っております。

 

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つながる心


 震災に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
 私は電力会社に勤めるものです。毎朝電気新聞に目を通しています。一般紙には載らない情報がたくさんあります。
 福島第一の事故はとても残念なニュースですが、そこで働く人たちも同じ震災の被害者です。そして地元の復興を強く願いながら、電気を送電していく電力マンたちの姿。私の友人たちにも現場の状況を少しでも分かってほしくて、先日私のブログで「電気新聞」のことを紹介しました。
 私の身の回りの方だけにしか、伝えることはできなかったかもしれません。でも報道の影に隠れた電力マンたちの姿を少しでも知ってほしいと願っています。
 この空の下で私たちは繋(つな)がっています。精神的にも肉体的にも、想像をはるかに超えて大変だと思いますが、私たち一人一人ができるところで、できることを頑張りましょう。 (宮崎県、匿名希望・女性)
 

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円の外側から

 私は今回の地震、津波、そして原発事故によって突然の避難生活をする事になった、一福島県民です。
 私が生まれた時には、原子力発電所という設備は既に存在し、親戚や友人などざっと見渡しても東電または関連企業勤務という人も少なくありません。
 実は私も、関連企業で「臨時社員」として勤務していた一人です。…先月、解雇になりました。
 地震と津波だけだったら今でも…?と、解雇された当初は毎日泣いていましたが、もう、できるだけ考えないようにしています。

 原子力については、この状況においてもまだ、否定する気にはなれません。
 なぜなら、「Q: 同規模の代替エネルギーは何で賄いますか?」
 …残念ながら、どれもまだ足りていません。発展途上です。
 しかし、既存設備が多数ありますから、何かあってから「想定外」の一言で片づけることなく、どんどん防護策を立てていただきたい。
 やり過ぎることなど、決してありません。多重の壁が破られている現実があるのです。
 何十年か後に、廃炉になってそこが更地にでもなった時に、そのやり過ぎ以上かもしれない防護策を「何もなくてよかったなあ」と笑い話にする位でよいのです。
 これは日本国内に限らず、世界全体についても同じです。
 こんな風に、故郷をまるで追われるように出て行かなければならないのは、私達で最後にしないと…。

 とは言え、電気はこれまで「使われ過ぎ」ていたとも強く思います。
 都市部にお住まいの方は、正直、気づきにくいとは思うのですが、田舎の人間(しかも発電所立地地域の)から見れば、「どれだけ無駄遣いしてるのか…」と思えるのです。
 夏場などは、特にわかりやすいのでは? 効きすぎているエアコン、変な明るさを保った夜空…。
 それが「普通」? いいえ、普通じゃありません。残念ですけれど。

 また、「計画停電があって初めて、福島で電気が作られていることを知った」という人がいることも、私にはかなりショックでした。
 福島の浜通りの風景というのは、東には海原が広がり、のどかな田園があり、大きな送電のための鉄塔が、西の山並みに向かっていくつもいくつも並んでいる…(そしてそれは、故郷の風景に欠かせないアクセントのようなものでした)。
 こういう町に原子力発電所なり火力発電所なりが建てられていて、作られた電気は長い旅をして、関東の皆さんの下に届いていました。
 電気新聞に目を通す方々にはごく当たり前の話でも、わからない人は多く存在するのです。

 現在、あの円の南側に位置する火力発電所の復旧が、急ピッチで進められています。
 私の中では愛車を津波で流され、後日仕事も失い、辛い記憶で止まってしまった場所でもあるけれど、夏の需給計画の中にその名称を見つけて、やっと立ち上がるんだ!と、心の底から嬉しく思いました。
 私が一緒に仕事をさせていただいていた人達が、今日も現場で立ちまわっているであろう姿が目に浮かびます。
 毎日通勤していたのが嘘のように、今ではその火力発電所も遠い存在となってしまいましたが、復旧作業に関わる全ての皆さんに対し、「ご安全に!」と、そっと祈っています。

 1号機のメルトダウン、3号機の温度上昇など、福島第一の状況は依然深刻なままです。
 大体、事後報告しかありえない中で、私も少々のことでは驚いたりあわてたりなどしなくなりました。
 従って、今その最前線で作業に当たる方々、支え続ける方々の無事と、世界一困難な作業の全うだけを、心の底から祈り続けています。
 まず安定化。これがあって福島は初めて、復旧・復興に一歩前進することができます。

 今日も皆、あの円から外側のそれぞれの場所で、いつか故郷に帰る日を想い、頑張っています。私も頑張ります。 (福島県、匿名希望・女性)
 

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欧州生活体験者として

 日本全域において節電が呼びかけられている状況の中で、まず第一に早急な処置が必要と思う分野を挙げてみます。 
 長年の欧州生活の体験者としての提案です。欧州先進国では当然のこととして実施している、下記のような根本的なシステムを日本産業界も一般家庭も導入すべきです。

(1) 交通機関や大型店舗における異常な冷暖房 (利用者が体調を壊すほどの電力浪費を早急に廃止すべし)
(2) 廊下やトイレなどの照明器具の自動節電化導入 (人が利用する時のみセンサーによる点灯・点滅)
(3) 電力過剰生産の廃止 (毎日、食品業界のように過剰生産品を店頭に並べるのではなく、必要電力のみの生産が不可欠) (匿名希望)
 

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立場や感情に流されずに

 震災の被害に遭われた方々には、心からお見舞い申し上げます。
 福島第一原子力発電所の事故が一日も早く収束し、被災者の方々が落ち着いて暮らせる日々が訪れることを願うばかりです。
 さて、これから原子力発電の必要性について国民的な議論がなされると思いますが、ぜひ多角的な視点で冷静な議論を展開していただきたいと思います。
「危険だからいらない」
「地球温暖化を考えると必要」
 …ひとつひとつの意見はどれも正しく、誰も反対することはできません。
 これから私達に必要なことは、その意見の裏にある現実をしっかりと見つめ、判断していくことです。
 原子力発電を批判することは簡単ですが、原子力発電を中止したら暮らしがどう変わりますか?本当に暮らしていけますか?
 一方、原子力発電を推進するにも、想定を超える危険に対しての安全性をどのように確保しますか?周辺住民の方々は本当に安全ですか?
 この議論から逃げることはできません。一人ひとりが未来の日本を想い、立場や感情に流されることなく真剣に考えましょう。そして、日本の考えを堂々と世界に発信しましょう。 (東京都、匿名希望・38歳男性)
 

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電力人も勇気持って発言を

 3月11日で世の中が一変したようです。未曾有の大地震、大津波で被災者のはずの原子力発電所が放射性物質が漏れ出す事故に至り、加害者となってしまった。現場の方々の最大限の努力に感謝し早期収束を祈念しています。その上でいくつかの感想を述べます。

1、最後の砦はローテクで
千年に1回の確率で起こる想定外の地震・津波であるとしても、起きてしまった以上設備設計に遡って考える必要がある。予備電源を多重化しても、キュービクルと電気回路が海水で役に立たなかった。全電源喪失時にどうするか。超高層ビルの火災を描いた映画『タワーリング・インフェルノ』では、最後は屋上の巨大水槽を爆破して消火した。最後の砦はローテク(重力の法則)とゆうことか。米国の新型炉「AP-1000」にも屋上水槽がある。

2、電力人も勇気を持って発言を

今後、原発の新規立地は難しくなろうが、現に発電量の3分の1を占めCO2削減の切札である原子力をどう位置付けるか。現代のプロメテウスの火をいかに制御していくのか、人類の叡智が試されている。サルコジ、オバマ両大統領は推進を表明した。わが国も、戦後の廃墟から、「九電力民営化体制」と原子力の平和利用を実現した先人たちの努力を無にしてはなるまい。
計画停電に絡めて東西(周波数50ヘルツ、同60ヘルツ)連系の増強が言われている。日本のような長距離くし型の電力系統では、交流グリッドの一体運用は安定度上困難で、中間に直流連系(BTB含む)が必要である。この役割をFC(周波数変換所)が果たしており、各地域間はルースカップリング(弱い連系)で連鎖的な波及停電を防止している。これは電気エネルギーが生産即消費であり、生鮮食品と同じく地産地消が最適(ロス小)であることを意味する。費用対効果を良く考えた投資が望まれる。
3月11日、再生可能エネルギーの全量買取制に関する電事法改正が閣議決定された日に大震災が起きたことは象徴的だ。これから益々新エネ(太陽光、風力)ラッシュが強まると思われるが、ドイツでもFITへの反省期に来ており、今一度制度の再吟味が必要ではないか。拙速は困る。
電力人は発言しにくい時期であるが、これまで供給責任を果たしてきた誇りを失わず発言してほしいものだ。 (広島県、松本博之)
 

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一緒に困難を乗り越えて

 福島第一原子力事故の収束に懸命の作業をしているみなさん。
私は同じく原子力に携わっているものです。東京電力、それから協力会社のみなさんの必死の作業、毎日耳にしております。本当にお疲れさまです。
 遠くからですが、自分たちのできる範囲を超えて、皆さんをサポートして行きたいと考えています。一緒に戦っていきます。どうか、持ちこたえて、困難を乗り越えていきましょう。 (青森県、匿名希望)
 

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電気新聞の存在意義は?

 電気新聞で働くあなた達へ問う。あなた達の存在意義は何?
 震災からの電気新聞はまるで中国や北朝鮮の報道のようでとても気持ちが悪い。偽りはないが、言うべきことを言っていない感が払拭できない。
 確かに業界団体が発行する業界誌としての立場はあろう、しかしそれでも「報道機関」なのであれば伝えるべき事は(発言し辛くても)もっとあるべきなのではないか?
 このまま報道のあるべき「公正」さを欠き、スポンサー(電力会社)にしか向いていない記事など「御用報道」のそしりを逃れられない。業界誌にジャーナリズムは必要ないという事だろうか?
それだけではない。「福島に何が起こっているか」を電気新聞であれば一番詳しく的確に報道しているのかと思っていたが、実際は一般誌の方が情報量も多く、専門的ですらあった。
 あなた達の存在意義は何? (大阪府、匿名希望・44歳男性)
 

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柔軟な土地利用計画不可欠

 今回の未曾有の災害で被災された方々に心よりお見舞い申し上げ、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げたい。
 私を含め、全国民が被災地の人々と共にこれからの難局を乗り越えていくしかない。今回の災害で陸前高田市においては、約7万本の高田松原や巨大防潮堤でさえも大津波を防ぎ得なかったことは、土木技術者の一人としても痛恨の極みである。構造物によるいわゆる「ハード防災」が、巨大災害時には無力であることが残念ながら実証されてしまった。
 私は提案したい。今こそ土地本位制から脱却を図り、本当の意味での「まちづくりとしての土地利用計画」を推進したい。地域の歴史風土を尊重しつつ、地形地質を生かした土地利用計画によって、海から離れた高台にある集落でも海岸近くでの農漁業や日常生活が可能な、最適化した交通計画やエネルギー関連を含むインフラストラクチャーを構築していくべきである。
 そのためには、救援・復旧期から復興期までの間に地域コミュニティーを喪失させないための、全国民による支援が重要である。 (千葉県、はじめ)
 

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被災地に灯りを 電気人にエール

 まさに想像を絶する大震災としかいいようがない。千年に一度といわれる地震と津波によって命を奪われた方々のご冥福を祈るとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げたい。
 電気事業にとっても大震災だった。とくに福島の原子力発電所での事故が、立地地域の方々の生活にも深刻な打撃を与えたばかりか、日本そして世界のエネルギー戦略、そして日本の将来の経済活動にも深刻な影を落とすことになったのは残念きわまりない。
 テレビ、新聞もまだまだこの福島の事故の報道が中心となっている。ただ、生活基盤を崩された福島の方々に手厚い対策が必要なのはまったくうなずけるが、同時に気になるのは三陸地域をはじめ津波によって街そのものを失われた被災者の生活である。
 まだまだとりあえずの食料も不足している状況だが、これから徐々に仮設住宅などが建設され、一歩一歩生活再建への道を歩まれることになる。その再建、復興にまず不可欠なのがやはり電気だ。
 復興の大前提になる電気を送るため、すでに東北電力が中心となって被災地での作業に取り組みが始まっている。
 福島の事故の収束のため命がけで作業にあたっている方々の苦労には頭が下がる。それとともに、厳しい作業環境の中で、しかも自らも震災の被害を受けながら黙々と公益の使命を果たそうと懸命に働くすべての電気人たち一人一人にあらためてエールを送りたい。 (神奈川県、大声人)
 

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社会構造問い直す好機

 言語に絶する自然災害である。この情け容赦のない大震災は、掛け替えのない無数の尊い人命を奪い、住居や工場などの各施設を完膚なきまでに撃ち叩いた。
 被災地の方々には、これからも数多くの苦難に立ち向かい、辛酸をなめる日々が続くが、今はただ、心からお見舞いを申し上げ、体調が悪化しないことを願うばかりである。
 各施設の復旧や復興には幾多の歳月を費やすことになるが、必要な支援は国内だけでなく、海外諸国からの心温かい援助も期待したい。
 また、被災者や支援に携わっている方々にも、現地での不便な生活や困難な活動に忙殺される日々が長期化することは避けられない。政府をはじめとする各対策本部は彼らの身体の過労・疾病対策だけでなく、こころのケアもできる体制も徐々に整えていってほしい。
 今回の大震災によってこのような広範囲な被災地への対処の難しさを我々は思い知らされた。
 電力・エネルギーなどのインフラ施策はもとより、産業、経済など日本の構造を見直すともに、日本人がこの国でどのように生活していくかを自らに問いかけなければならない。 (福井県、江畑雅永)
 

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これ以上の人災出してはならぬ

 全く虚を衝かれた。今回の東北関東大震災は、地震そのものの被害もさることながら津波だ。東京電力福島第一原子力発電所が受けた津波は、設計値の倍以上の14メートル。何ともたまらないことだ。福島第一・2号機の原子炉が、14日夜、水位の低下で一時空だき状態となった。原因の一つは職員が目を離したすきに海水を注入するポンプが燃料切れを起こしたという初歩的なミスだ。国家的危機すら招きかねない異常な事態に「信じがたい」「あきれ返る」「安全装置の電源が無くなる危険性を散々指摘したのに東電、国は聞く耳を持たなかった」といった批判を聞く。
 ついに作業員の被ばくも起こった。これ以上人災を出してはならない。
 九州電力は玄海原子力の発電再開を延期した。また今年予定の川内1、2号機定検後の発電再開が遅れることも示唆した。
 未曾有の電力業界の難事は何としても乗り越えねば国が滅ぶ。 (鹿児島県、小浜一雄)
 

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社員も被災者 現実知って

 震災以降、私たち発電所の人間は不眠不休で復旧にあたっています。約2週間が経過し、福島第一原子力も大分収束に向かい、このまま冷却がうまくいってくれることを願うばかりです。
福島第一、福島第二で働く所員の大半は地元の住民で、みんな被災者です。家を流された社員も大勢います。私自身、緊急時対策本部に缶詰になり、毎日みんなと戦っておりますが、個人的には実家が浪江町の海沿いにあるため、津波で町全体が流されました。
両親は津波に流され、未だに行方がわかりません。本当なら、すぐにでも実家のあるところに飛んでいきたい…。
でも、退避指示が出ている区域で立ち入ることすらできません。自衛隊も捜索活動に行ってくれません。こんな精神状態の中での過酷な労働…。もう限界です。
地震は天災です。でも、原発による放射性物質の汚染は東電がこの地にあるせいで、地元の方々の感情は、今じゃ地震すらも東電のせいと言いかねない勢いだと思います。
みんな故郷を離れ、いつ戻れるかもわからない状況で、不安を抱え怒りを誰にぶつけてよいのか分からない。それが今の現実です。
これから、新学期を迎えるにあたって、地元の子供たちは避難地区に転入せざるを得ないでしょう。みんな家も仕事も学校も友達も家族も失ってしまいました。
こんな現実を誰が耐えられるのでしょう。どうか、この現実を届けてください。
原子力の人間が悪いわけではありません。誰が悪いわけではありません。
この発電所にいる人間の大半は地元の人で、私も含めてみんな被災者なのです。
被災者である前に、東電社員としてみんな職務を全うしようと頑張ってます。
福島第二は、自分たちのプラントの安全性の確保のほかに、福島第一復旧のサポートも同時にやってました。現場はまるで戦場のようでした。みんな心身共に極限まできています。
会社も、会社そのものの存続がかかれば、原子力を切り捨ててしまうかもしれません。
でも、私たちは最後まで頑張ります。ご支援下さい。よろしくお願いします。 (福島第二原子力勤務・女性)

※ 本稿は福島第二原子力発電所に勤務する女性が知人に宛てたメールです。本人の了解を得て掲載しました。原文を一部修正しています。
 

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“名もなき人々”応援

 復旧に関わる皆さま、ご苦労さまです。福島第一原子力発電所の事故で非難が集中するなか、昼夜を徹し、復旧に携わる皆さま、本当に頭が下がる思いです。人はどうしても自己中心的になりがちで、自分も恩恵を被っているのに、都合が悪くなると、すぐ人のせいにしたがります。
 どうか電気を通じて、人が人であることの温(ぬく)もりを、つないでいって下さい。原子力発電所で、決死の覚悟で2次災害防止に従事する方々をはじめ、復旧に向け我が身をなげうって頑張る、すべての名もなき人々を、心より応援いたします。応援メッセージ「名もなき人々」を添付しました。 (福島県、匿名希望・48歳)

名もなき人々

 流された家
 屑鉄となった車
 打ち上げられた船……

 瓦礫を押しやり
 道を開かなければならない。
 向こう岸へと
 橋を架け直さなければならない。

 陥没した道路を掘り
 水が噴き出す配水管を
 塞がなければならない。

 倒れた柱を持ち上げ
 送電線をつなげなければならない。

 水を運ばなければならない。
 食糧も。
 水と食糧を運ぶ燃料も。
 薬と毛布も。
 暖をとるための燃料も
 運ばなければならない。

 手を差し伸べなければならない。
 水も食糧も灯りもない
 孤立した人々に。
 瓦礫に閉ざされたままの
 冷え切った闇のなかへ
 手を差し伸べなければならない。

 遺体を引き上げなければならない。
 流された家から。
 屑鉄となった車から。
 打ち上げられた船から。
 瓦礫の下から遺体を引き上げ
 家族の元へ返さなければならない。

 この痛みを悲しみを
 決して忘れてはならない。

 瓦礫を押しやり道を開き
 橋を架け直し
 配水管を
 送電線を復旧させた
 名もなき人々のことを。

 水と食糧を
 薬と毛布と燃料を運んだ
 名もなき人々のことを。

 孤立した人々に
 瓦礫の闇に手を差し伸べた
 名もなき人々のことを。

 流された家から
 屑鉄となった車から
 打ち上げられた船から

 瓦礫の下から遺体を引き上げ
 家族の元へ返した
 名もなき人々のことを。

 ニュースにもならない
 テレビにも映らない
 物語の外で
 人であることのぬくもりをつないだ
 ヒーローでもヒロインでもないすべての
 名もなき人々のことを

 決して忘れてはならない。
 

 

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避難者支援、柔軟に

 福島第一原子力の放射性物質の漏えいに伴う避難者は、地震・津波の被災者に比べ差別を受けています。実態を知ってほしくメールしました。
 20キロメートル圏の南相馬市に住んでいた義兄(80歳代)一家4人は今、千葉県で避難生活をしています。高齢の義兄は避難所で体力が続かず、旧住宅公団(現UR都市再生機構)の営業センターに賃貸・空き住宅を探しに行きました。
 空きはありましたが、震災の被災者とは差別されているのです。避難者は家が全壊していないので、賃料が発生します。津波で家屋が全壊した人は賃料が6カ月間無料です。所得証明もとれないので1年分の家賃を前納しなければなりません。
 義兄は絶望し、同席した私も、どうしたらよいかわかりません。何とか助けたいのですが、もっと柔軟な対応はできないのでしょうか。 (茨城県、草野友義)

※ UR都市機構では、震災の被災者と原子力発電所の事故に伴い避難・屋内退避の指示を受けた方のいずれにも6カ月無償でUR賃貸住宅をご用意しているそうです(プレスリリース→http://www.ur-net.go.jp/saigai/info20110322.html)。その後、草野様からも本紙にご連絡があり、「(義兄の)表情から生きる希望を失わずに済んだことを感じました」と明るい言葉をいただきました。

 

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傲慢さ捨て去るべき

 原子力産業界・研究者のみなさん、今必要なのは、ご自身の過去の言説の点検です。世の中の普通の人びとを誤った方向へ導いたことはありませんでしたか? 原子炉建屋があるから、日本の技術は優秀だから、原子力発電所は安全だと話されたことはありませんか?
 石川迪夫氏は「一口に原子炉安全の要諦は、止める、冷やす、閉じ込める、の三つというが、この言葉は安全上重要な順位をも表している、福島では、原子炉はみな止まった」と三つのうち一つできたことを強調しているようですが、それは欺瞞です。三つで安全だとしたうち、一つだけしかできなかった。それが現実なのです。原子力産業界・研究者のみなさんは、謙虚にご自身の言説を見直されるべきです。
 故高木仁三郎氏は、自らの職・生活をかけて、原子力研究者の立場にあった自己を見つめられました。あなたたちに伝えたいのは、傲慢さをお捨てになることです。人間の営みには、「完全」はありません。原発は「完全・安心・大丈夫」と伝えてきた方々は、猛省するべきでしょう。 (東京都、匿名希望・55歳)
 
 

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原子力作業者に感謝

 東京の多摩地区に住んでおり、地震の大きな揺れは感じたものの、被害は少なくてすみました。実家は青森ですがそちらも、停電だけですんだようです。
 毎日、テレビで被災者の方々の様子をみていると胸が痛みます。家族や周りの人を失うことは並大抵の辛さではないと思います。それでも強く、少しずつ前に進もうとしている姿勢に深く感動しました。自分自身も、今被災者のために、周りの人のためにできることがあるのではと考えるようになりました。
 そして、原発で作業にあたっている関係者の方々に深く深く感謝したいです。みなさんが命をはって仕事をしていてくれたから被害を抑えられていて、もっとひどい事態になることを防いでくれていると実感します。心から誇りに思いたいです。
 まだこれから作業は続くと思いますが原発で作業にあたるみなさん、多くの関係者の方々が無事に元の生活に戻られることをお祈りしています。そして被災者の方々に一日も早い復興と、心の癒(いや)しが得られるようにと思っています。 (東京都、22歳・女性)
 
 

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電気のありがたさ痛感

 東電さん批判をあおるような報道、責任を押し付けるような政府に困惑してただただ悲しいです。
 身内も南三陸町の被災地に救助に派遣されています。被災者のみなさまと救助や復旧のために命がけでご尽力下さるみなさまのことを思うと、ぬくぬくと過ごすことができません。
 「背負い水」と言う言葉があります。人間には一生のうちに使える水の量が決まっていると。
 電気もそうなのかもしれません。当たり前すぎて気付かなかったありがたさを、身にしみて感じています。
 電気に関わるすべての人に感謝を、エールを届けたくてメールしました。
 みなさまのご安全を心よりお祈り申し上げます。 (秋月さや子)  
 

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緊急寄稿・東北関東大震災



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