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【国際】

大使車襲撃 男2人行政拘留処分 中国当局 刑事罰は適用せず

 【北京=渡部圭】北京市内で丹羽宇一郎駐中国大使の公用車に掲げられた日の丸が奪われた事件で、北京市公安局は四日、国旗を奪った車の男二人を、治安管理処罰法に基づき行政拘留処分としたと発表した。

 二人は、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題などをめぐり日本に不満を持ったのが動機と供述したとされる。男らの行為をたたえるインターネットなど一部の強硬世論に配慮し、人的被害がなかったことから、当局は重い刑事罰を適用せず、事件の幕引きを図った形だ。

 市公安局や日本大使館によると、二人の拘留期間は八月三十一日から五日間。また、公用車の前に割り込んで停止させた北京の車の男一人を警告処分にした。いずれも日本の行政処分に相当する。二台の車の男同士に面識はなく、現場で衝動的に犯行に及んだ。

 事件後、北京市公安局は北京から約百七十キロ南の河北省滄州市で八月二十九日、河北省出身の二十三歳と、黒竜江省出身の二十五歳の男二人を事情聴取したところ、国旗を奪ったことを認めた。三十日に中国外務省を通じ、日本大使館に容疑者を特定したと通報があった。

 事件は八月二十七日、丹羽大使が公用車で大使館に戻る途中、北京市内の環状道路で二台のドイツ車に割り込まれ、停止させられた。うち一台から降りてきた男が車両右前のポールの日の丸を引きちぎって持ち去った。

 治安管理処罰法 社会の治安秩序を乱す行為を取り締まるのが目的だが、刑事処分に至らない軽微な行為に適用される法律。司法手続きを経ず、罪状に応じて15日以下の拘留や5000元(約6万2000円)以下の罰金などを定める。

 

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