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国旗奪取 男2人を行政拘留処分
9月4日 19時41分

国旗奪取 男2人を行政拘留処分
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中国駐在の丹羽大使の乗った公用車につけられていた日本の国旗が奪われた事件で、中国の警察は、治安管理処罰法に基づいて、国旗を奪った23歳と25歳の男2人について、5日間の行政拘留の処分にしました。
犯行に及んだ動機について男らは「現在の日中関係に不満を持ち行為に及んだ」と述べているということで、中国政府は、容疑者の刑事責任を問わないで、事件の早期決着を図ることになりました。

この事件は先月27日、北京市内で丹羽宇一郎大使の乗った公用車が2台の乗用車に走行を妨げられたあと、無理やり停止させられ、車から降りてきた男に日本の国旗を奪われたものです。
中国の警察は、大使の車を停止させ国旗を奪ったとして、河北省の23歳と黒竜江省の25歳の2人の男について、治安管理処罰法に基づき、5日間の行政拘留の処分にすることを決定しました。
2人は、事件の2日後の29日午後に、現場からおよそ200キロ離れた河北省の滄州市で見つかり、その後、取り調べを受けていたということで、国旗を奪った行為などについて事実関係を認めているということです。
また、丹羽大使の公用車の運転を阻んだとして、もう1台の乗用車を運転していた北京市の27歳の男についても警告処分としました。
今回、行政処分の決定が出されたことで、男らの刑事責任は問われないことになりました。
今回の処分について4日夜、北京の日本大使館の担当者が、北京市公安局の担当者から説明を受け、犯行の動機について男らは「現在の日中関係に不満を持ち行為に及んだ」と述べており、警察は、衝動的で計画性のない事件だと判断していると伝えられたということです。
日本大使館は、今回の事件について、改めて遺憾の意を伝えたうえで、事件の再発防止と在留邦人の安全確保を強く求めたということです。
事件の発生から1週間余りで容疑者に対する処分を発表したことで、中国政府としては、刑事責任を問わないで早期決着を図ることになりました。

行政拘留とは

中国では、今回のような事件で、当局が容疑者を起訴して刑事責任を問うか、警察が裁判を経ずに容疑者に「行政拘留」などの比較的軽い処分を科す場合があります。
今回、2人の容疑者に科された「行政拘留」は、中国の社会秩序や治安の維持を目的とした法律「治安管理処罰法」に基づくもので、「拘留」の期間は、最大で15日以内と定められています。
「治安管理処罰法」には、このほか「行政拘留」をせずに「罰金」や「警告」だけの処分も定められています。

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