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2012年9月3日(月) 東奥日報 ニュース



■ 縄文前期の人骨出土/つがる

写真
縄文時代前期の成人女性とみられる人骨。鑑定する奈良准教授(右)と鈴木助教
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 つがる市木造館岡の国史跡・田小屋野(たごやの)貝塚から、縄文時代前期(約5500〜5千年前)の成人女性とみられる人骨が出土したことが2日、明らかになった。同市教育委員会による調査によるもので、協力した日本歯科大学の奈良貴史准教授は「日本海側の東北北部で縄文時代前期の人骨が見つかるのは極めて珍しく、保存状態も良好。この人骨を研究すれば日本人の系譜が分かる可能性がある」話している。

 同貝塚は岩木川左岸の台地にあり、縄文時代晩期の遺跡として知られる亀ケ岡遺跡の北200メートルに位置する。8月29日に奈良准教授と東北大学大学院の鈴木敏彦助教が現地で鑑定。人骨は縄文前期の円筒下層式土器を含むヤマトシジミ主体の貝層に覆われて、地表から約15センチ下に埋まっていた。頭蓋骨の一部を含むほぼ全身の骨(膝から下を除く)が残っていた。骨盤の骨の形と出産痕から、成人女性の可能性が高いと判断した。

 市教委の佐野忠史学芸員は「縄文前期中ごろの竪穴住居を埋めた跡のくぼ地を覆う、ヤマトシジミを主体とした貝層の中に、遺体を埋葬したと考えられる」と話し、遺体を埋葬した年代は竪穴住居の廃絶からそう遠くない時期で、少なくとも縄文前期は下らない−と推測。人骨の残り具合がよいのは遺体を覆った貝のカルシウム分などが影響して、酸性土壌でも骨が朽ちなかったためとみている。

 人骨は今後、DNAや炭素安定同位体などを分析する。奈良准教授は「太平洋側の人骨と同じ形態か、何を食べていたかなどを調べる。文化的には同じでも、海獣をよく食べていた北海道の縄文人と、食生活で共通性があるかも確認できるはず」と言う。

 同貝塚は、亀ケ岡遺跡と同じ1944(昭和19)年に国史跡の指定を受けており、世界遺産登録を目指す北海道・北東北の縄文遺跡群のうちの一つになっている。つがる市教委の今回の調査は世界遺跡登録に向け、さらに情報を得ることなどを目的に行われていた。

 県教委文化財保護課の岡田康博課長は「予想外の発見。遺跡群にふさわしい貝塚だということがより明確になったと言える」と話している。

 調査は10月上旬ごろまで続ける予定。同貝塚は民有地にあり、現在は公開していない。このため同市教委は、調査終了前までに一般向けの現地説明会を行いたい考えだ。

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