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ホテルコムズ仙台再開断念 震災被害甚大、賃貸借契約解消へ
| 営業再開を断念したホテルコムズ仙台。震災後、建物はフェンスやネットで覆われたままとなっている=仙台市青葉区本町2丁目 |
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東日本大震災による損傷で休館中の仙台市青葉区本町のホテルコムズ仙台(旧三井アーバンホテル仙台)が営業再開を断念したことが3日、分かった。運営するグランビスタホテル&リゾート(東京)は「多額の復旧費の負担が重いため」と説明。建物の今後について、所有する三井生命保険(東京)は「解体するか修復するか、方針は決まっていない」としている。 仙台市内では近くのホテルコムズ仙台アネックス(青葉区中央)が7月、賃貸借契約の満了で閉館しており、コムズチェーンのホテルは東北から姿を消す。 グランビスタ社によると、コムズ仙台は地震の強い揺れで、最上階にあるレストランの調理場や客室の一部が大きく損傷した。営業再開には設備や備品の大幅な修繕が必要な状況だった。 7月中旬に三井生命と協議した結果、「営業再開は難しい」と判断。9月末で賃貸借契約を解消すると決めた。営業を再開する場合に必要だった復旧費は公表していない。 グランビスタ社は6月ごろまでは「再開に向けた準備を進めている」としていた。同社広報担当は河北新報社の取材に「震災の影響で閉館を余儀なくされたが、これで東北から撤退するつもりはなく、機会があれば再び出店する」と話した。 三井生命によると、建物自体も震災による損傷が激しい。現在はフェンスとネットで低層部を覆ったままで、工事などは行われていない。 コムズ仙台は地上13階で、震災前の客室は212。1981年8月、三井アーバンホテル仙台として開業し、2008年4月に名称変更した。宮城県庁や仙台市役所に近く、仙台を代表する宿泊施設の一つとして親しまれてきた。
2012年09月04日火曜日
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