スギちゃん、激白インタビュー 吉本は「給料安く、もうイヤだった」
産経新聞 9月1日(土)9時0分配信
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| タレントのスギちゃん(写真:産経新聞) |
元吉本芸人で、事務所移籍後に「ワイルドだろ〜」のギャグで一躍ブレークしたスギちゃん(39)。タカアンドトシや次長課長、スピードワゴンらと同期だった“時の人”が、吉本時代を振り返りながら、「ワイルド」ネタ誕生の秘話や、今後の野望などを明かした。
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−−振り出しの所属事務所は吉本興業だった
「名古屋吉本です。養成所に1年入って、5年ほど芸人をやって、事務所を変えて東京に出てきました。名古屋時代はそれほど仕事量がなかったんですよ。東京と大阪のはざまの中途半端な位置にあるから」。
−−吉本のときになぜブレークしなかったのか
「単純に、実力がなかったですから。名古屋という土地が不利だった面も、あったのではないかな。名古屋吉本にいても、“ニセモン”と言われているような感じで。やっぱり、大阪、東京の吉本が本物ですから」
−−大阪や東京の吉本に移る手段もあったのでは
「給料の安さで、もう嫌だったんです。芸人の取り分は1割、吉本が9割。ところが、移籍した事務所はその真逆で、芸人が9割、会社は1割だったんです。単純に金に目がくらんだんですよ(笑)。それに吉本にはめちゃくちゃな数の芸人がいるので、もう俺レベルでは(テレビに)出れないですよ」
−−吉本の育成システムには、ついていけなかったということか
「吉本は結構えぐいんですよ。養成所の後輩から聞いた話なんですが、入学金を支払った後に、学生たちを前にした講師が『お前たちを売るつもりはない』と言ったそうなんです。結局、上のクラスが詰まっているから、後輩のお前たちは出にくいよ、という意味なんです。本当に激戦区なんです」
−−最初は漫才で売り出していた
「漫才だけでなく、コントも、何でもやっていました。結局、大会での結果でしか、売れないと思うんです。M−1グランプリやR−1ぐらんぷり、キングオブコントなど、出られる大会は何でも出ました。20回は下らないんじゃないですか。でも、3回戦の壁は越えられなかったですね。今年やっとR−1で決勝に進めた。それまでは、武器になるモノがなかったですね。漫才も平凡なものでしたし」
−−なぜ、今になってブレークしたと思うか
「それまでは、何も考えずにやってきましたからね。俺はあんまりスタンスを変えずにやってきましたから。意外と時代があってきたんじゃないかな。バカっぽい感じが、やっと受け入れられる時代になったのかも。知人の芸人が分析していたんですが、東日本大震災などがあって、日本全体が沈んでいる時期に『どうしようもないバカが現れた』と受け入れられたんじゃないかな。ばか笑いしたいときに、シュールなコントをしていても仕方がないし。漫才というよりも、何も考えていない変な奴がきた、と思われてるんでしょうね。能天気な野郎が出てきたと」
−−「ワイルド」のネタが生まれた背景は
「ピン芸人になってから、キャラをころころ変えました。馬鹿(ばか)大将、おっぱい先生、節子、ぷーちゃん、などなど。昨夏にワイルドスギちゃんが誕生したんです。3年間で20以上もキャラを変更したんだぜぇ。ワイルドだろ〜。
昨年8月までのキャラは『アイドル・スギちゃん』で、80年代アイドルが歌って踊って、自虐ネタで笑わせるキャラでした。ただ、そろそろお客さんの飽きを感じていたんです。舞台上で急に、キャラを変えたい衝動に駆られて。ネタの途中で、アイドルの衣装を脱ぎ捨てて、上半身はだかになって『スギちゃん、もうアイドルは卒業して、ワイルドになるぜぇ』と。
自分でも予定していなかった突然のキャラ変更で、衣装も髪形もアイドルのまま。小道具のコーラもなし。準備が整ってなかったのに変身してしまったんです。そうしたら、ドカンと受けて、手応えがものすごくありました」
−−たまたまの産物だった
「売れる売れないなんて、紙一重ですね。ワイルドのネタは、偶然の産物だったんです。それまでは、車の運転で例えれば、ギアがなかなか入らないネタだったんです。序盤あんまり受けなくて、中盤でちょっと受けて、終盤でまた落ちるという感じ。なかなか乗っていかないんですね。
でも『ワイルド』っていえば、何を言ってもうまく運ぶので、ギアがスムーズに入っていく感じ。このスタイルは、やりやすいと感激しましたね。よくできた偶然の産物でした。シモネタじゃないし、子供がマネしてもいいし。全部うまくいった感じ。なにいっても、最後に『ワイルドだろ〜』といえば完結するわけですから。なんて万能の言葉なんだろうと、後々思いました」
−−ワイルドのネタは応用が利く
「ワイルドのネタは、バリエーションがつくりやすいんです。みんが普通にやっていることをちょっと変えればいいだけ。笑いの型としてよくできているんです。それまで、どうすれば売れるんだろうと考え尽くして、無に近い境地に達したとき、何でも“はまる”正解を見つけることができた。自分なりに、真剣にやってきたから、運良く人生の転機が訪れたのかなと思います」
−−ワイルドをはじめ、潜伏期間に蓄えたネタは、たくさんあるのでは
「出していこうと思ったんですが、テレビで通用するものが、ひとつもなかったんです。それが大問題ですね。しいていえば、おっぱい星人があるんですが。シモネタなんで…。新しいネタをつくっていかなくちゃいけないんです」
−−ネタが少ない分、今後についての不安もあるのでは
「これが不思議と不安はないんですね。行き当たりばったりで生きていますから。何かにぶつかれば、何かが生まれると思っているんです。これまでに、いろんなキャラクターをやってきましたが、何かにぶつかるから生まれてきたと思うんです。ぶち当たって、思いついて、何かをやる。だから続けてこれたんだと思うんです。今はまだ生まれてないけど、そのうち何かが生まれるんじゃないかと思ってます」
−−「自分は一発屋」と自虐ネタで使っているが 「一発屋は恥ずかしいことじゃないと思います。歌手で言えば、1曲当たったという感じ。2曲目を当てるのは大変ですが、ワイルドから、どういう風に方向転換していくのかは、今年の10月くらいでいいんじゃないですかね。いま策を練っていても、時代にあうかどうか、わかんないじゃないですか。あんまり早い内に新ネタを出しちゃったら、年を越せないですよ。
ユニットをやれば何か生まれるんじゃないですか。いい加減でいいんですよ、人生なんて。俺はたまたまうまく転んだのがブレークのきっっかけになったんですよ。たまたまです。自分で考えても、どうにもならないですよ。そこは他人任せでいいんじゃないかな。ワイルドだろ〜(笑)」
■スギちゃん(すぎちゃん)…本名・杉山英司。愛知県出身。サンミュージックプロダクション所属。ピン芸コンクール「R−1ぐらんぷり」で今年、準優勝したのをきっかけにブレークした。
最終更新:9月1日(土)17時55分
- 俳優・お笑いタレント・リポーター スギちゃん(スギチャン)
- 誕生日:1973年 08月24日
- 星座:おとめ座
- 出身地:愛知
- 血液型:B
- [ 出典:日本タレント名鑑(VIPタイムズ社)(外部リンク) ]
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