■「再臨のイエス・キリスト」VS「異端宗教の創始者」
以降、統一教会は本格的に海外に目を向けた。58年に日本、59年に米国に宣教師を派遣し始め、60-70年代には「反共」を掲げて世界巡回伝道集会を行った。70-80年代以降に登場した「合同結婚式」は統一教会のトレードマークになった。全人類が一つの真の平和家庭になるという教義に基づき、人種・国籍を越えた結婚が行われた。2001年の合同結婚式では、文鮮明氏が決めた韓国人女性と結婚したアフリカ・ザンビアのミリンゴ・カトリック大司教が破門された。文鮮明氏は数千-数百年前に亡くなった偉人たちまで現代の女性たちと縁組みした。
統一教会は「1961年に36組から始まり、2011年末現在、全世界で5億組が結婚した」と主張している。「神様王権即位式」「『平和王』戴冠式」「『万王の王 神様』戴冠式」なども次々と行われた。統一教会側は「世界194カ国に300万人の信者がいる」と主張しているが、反対する人々は「世界中集めても10万人に満たない」(AP通信)としている。
統一教会はあらゆる分野にも進出している。学校だけでも景福小学校、仙和芸術中学・高校、清心国際中学・高校、鮮文大学など国内外の10校が統一教会の財団に所属している。また、報道機関やプロサッカーチームをはじめ芸術団体、リゾート施設も運営している。統一教会は政治にも目を向け、08年の総選挙では世界平和統一家庭党(郭錠煥〈クァク・チョンファン〉総裁)を結成、全国245選挙区の全てで候補者を出馬させた。しかし、1人も当選を果たせず、政党投票得票率は1.1%にとどまった。このため、政党法に基づき政党登録を抹消された。
■韓日海底トンネル、ベーリング海峡海底トンネル推進も
文鮮明氏は1981年に「欧州・中東・アジア・米州を結ぶ『国際平和高速道路』を建設しよう」と発言、韓日海底トンネル建設を提案した。さらに、2005年にはロシアと米国アラスカを結ぶベーリング海峡海底トンネルを提案したが、どちらの計画も進展はなかった。それでも文鮮明氏は多大な財力を背景に国際政治の舞台で存在感をアピールした。1990年4月には各国の元・現職行政トップ40人をはじめ約600人を率いてモスクワを訪れ、当時のゴルバチョフ・ソ連大統領と会談した。続いて91年12月には北朝鮮の平壌で金日成(キム・イルソン)主席と会談した。
葬儀について、統一教会側は「文鮮明総裁は生前、重要行事を13日に行ったことから、その意向を引き継ぎ『13日葬』に決めた」と話している。祭壇は京畿道加平郡の清心平和ワールドセンターに設けられ、一般の弔問は9月6日から13日まで受け付ける予定だ。3日から3日間は信者がそれぞれの地域で「特別精誠(祈り)」をささげる。葬儀は15日午前に行われる。