被害女性の写真が貼られたピケット。幕には軍性暴力反対と書かれている。(撮影/矢嶋宰)

 八月一五日に一〇三五回を迎えた日本軍「慰安婦」問題の早期解決を求める「水曜デモ」。韓国・ソウルの挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)の呼びかけに応じ東京などでも連帯アクションが開かれたが、八日にはベルリンでもスタンディングデモが行なわれた。主催は「プロジェクト1035(旧称プロジェクト700)」。二〇〇六年に「水曜デモ」が七〇〇回を迎えたのを機に、ベルリン在住の韓国・日本人女性からなる複数の団体が結成したグループだ。以後、毎年夏に街角で被害女性たちの現状を訴えてきたが、この日も支援メッセージを集めたり関連資料を配布したりした。

 ドイツではここ数年、民間団体「コリア連盟」がこの問題をテーマとした行事や映画上映、出張講演などを積極的に行なってきたこともあり、現地メディアで取り上げられる機会が増え市民の支援の輪も広がりつつある。一方で足踏み状態なのがドイツ連邦議会。欧州・米国議会で日本に早期解決を求める決議案が成立したのを受け、社民党(野党)の議員が連邦議会で審議されるべき議題として今年三月に提案したが、キリスト教民主同盟(与党)は猛反対。急先鋒であるエリカ・シュタインバッハ議員は「アジアを見る必要はない。ソ連軍兵士により二〇〇万人近いドイツ人女性たちが性的被害を受けている。社民党は盟友であるプーチン氏に謝罪を求めるべきだ」と答弁。この議員はドイツによる加害を棚上げし被害を強調することで知られており、ナチス崩壊期から戦後にかけて東欧各地から追放されたドイツ系住民の財産返還を求める運動を起こし、ポーランドとの間に緊張関係を生じさせる原因となっている。

 デモに参加したアンティエ・モラゾヴァさんは「古今東西、戦時下の女性は常に性的被害の危険にさらされています。ゆえに国境を越えた連帯で被害女性たちを支援していくことが大切」と語った。

(矢嶋宰・フォトジャーナリスト、8月24日号)

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