維新の会の「維新八策」の全文を読んだ。
評価できる点、できない点がもちろんあるが、根本的な問題点として、「時間軸」が全くない政策集というのは大変問題だと感じた。
たとえば、国会議員の定数を半分にする、ということについても、これが、道州制をはじめとした諸々の国と地方の関係を整理・合理化した上で、ということになれば、少なくとも、次の衆院選後の4年間では実現できないだろう。
そういうことをせずにいきなり半減、というのは、幻想である。
また、地方の自立の名のもと、「地方交付税を廃止する」ことや、その代わりに消費税をすべて地方に渡して、地方自治体間でうまく調整してくれ、ということについても、実現までに要する時間や、否定的な地方自治体との調整という意味で、同様だ。
さらには、「超簡素な税制」として、フラットタックスを掲げているが、これはつまり、税率を一律にするということであり、年収1億の方も、年収200万の方も、同じ税率で良いということになる。
累進課税をやめれば、確かに簡素な税制にはなるが、これで国の財政や、国民の負担と受益の関係、社会保障制度などが保たれるとも思えない。
いまどきの若者じゃあるまいし、「超」などと枕言葉を付けて遊んでいる場合ではないのである。
ほかにも言いたいことは山ほどあるが、この維新八策は論理的に穴だらけであるし、政策の中身が所詮、大都市「大阪」の範囲を出ていない。
日本を変える、地方を変える、統治機構を変えていく、という方向性には私自身大いに賛同するものだが、せめて来たるべき選挙までにはもう少しマトモな公約が出てくることを期待したい。
政治に「青い鳥」は存在しない。
しかし、今の日本の閉塞感や不安感の中、国民の皆様は青い鳥を探し続ける。
夏の青空のように真っ青ではないかもしれないが、少なくとも「赤」ではない「青」と呼べるものを、政治という生々しい世界、人と人が生み出す世界の中で何とか踏ん張って作っていきたい、と私自身思う。