サテライト教室不備で規制強化へ9月4日 12時16分
山口県にある私立大学「山口福祉文化大学」が東京に設置しているサテライト教室について、学生数に合った講義室や図書館が設けられていないなど、法令で定める要件を満たしていないことが分かり、文部科学省は大学に改善を指導するとともに、サテライト教室の規制を強化することになりました。
指導を受けたのは、山口県萩市に本校がある「山口福祉文化大学」です。
文部科学省によりますと、大学が東京・墨田区に設置しているサテライト教室には、萩市にある本校に通う学生171人の3倍を超える600人余りの留学生がいますが、学生数に見合った講義室や図書館、それに医務室といった法令で定める要件を満たしていないことが分かりました。
サテライト教室は、主に地方の大学が、社会人などが学びやすいよう利便性の高い都市部に設けていますが、この大学のサテライト教室の学生は、ほとんどが中国からの留学生だということです。
文部科学省は「サテライト教室が本来の目的に使われておらず、不法就労を目的とした留学生の受け皿になるおそれもある」として、来年にも大学の設置基準を改正し、規制を強化することになりました。
文部科学省は、近く中教審=中央教育審議会の分科会で議論を始めることにしています。
山口福祉文化大学とは
山口福祉文化大学は、地域活性化の切り札として、山口県と萩市から合わせて40億円の補助を受けて平成11年に開校しました。
開校当初から定員割れが続き、学生を確保するため、中国から大量の留学生を受け入れましたが、入学後に行方が分からなくなるケースが相次ぐなど経営状態が悪化し、平成17年に民事再生法の適用を申請しました。
その後、平成19年に名称を山口福祉文化大学に改め再建を目指しましたが、地元では学生が集まらないため、東京にサテライト教室を設けて留学生を受け入れていたということです。
それでも、ことし6月には資金繰りに行き詰まり、2度目の民事再生法の適用を申請し、現在、福島県郡山市の専門学校を運営する学校法人の支援を受けて再建に取り組んでいるということです。
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