ドラマ発の映画として大成功を収めた「踊る大捜査線 THE MOVIE」【拡大】
連ドラの平均視聴率は18・2%。当時としては高い数字ではなかったけど、織田(裕二)君は「これ映画になるかも」とドラマ撮影の時からずっと言ってましたね。
僕は映画製作の経験がなく、連ドラの映画化も当時はほとんど例がなかった。ただ熱狂的ファンが多く数字以上の支持があると感じていた。織田君も連ドラの続編を基本的にやらない人だけど、映画はOKしてくれた。
最初のころ東宝との打ち合わせで「完結編と銘打って青島を殉職させよう」というアイデアが出された。映画を当てるためでしょうけど、この時はカチンときて「冗談じゃない。それなら映画にはしません」と言って会議室を出ましたよ。後で上司に「失礼だ」とすごく怒られましたけど。
ドラマ制作者としては、なぜ映画のために青島を殺さなきゃいけないのかと。連ドラで続編をやって、今で言えば「相棒」みたいな人気シリーズになった可能性だってあったわけだから。
しかし興行収入100億円を超える大ヒットには驚きました。今後どうしようって、むしろ頭を抱えたくらいですよ。
「踊る大捜査線 THE MOVIE」
副題は「湾岸署史上最悪の3日間!」。管内で警視庁副総監誘拐事件や猟奇殺人事件が発生。殺人事件の犯人・日向真奈美役で小泉今日子が出演した。織田演じる青島が腰を刺され“あわや殉職”のシーンも。青島の「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」のセリフは流行語となった。1998年10月31日公開で、興収約101億円。和久平八郎役の故いかりや長介さんが日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。
(紙面から)