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データでみるゲーム産業のいま

PSPとソーシャルの「AKB48」の異なるユーザー構成・・・「データでみるゲーム産業のいま」第34回

2012年9月2日(日) 18:34 Text by 池田敬人(Takahito Ikeda)
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当社が毎月発行している『Monthlyゲーム・トレンド・レイティング』では、定番や新作を織り交ぜて毎月約40タイトルのソーシャルゲームコンテンツを調査しています。今回は、その中から昨年10月にサービスが開始された、AKB48 を題材にした初のソーシャルゲームコンテンツ『AKB48ステージファイター』の調査データをご紹介いたします。

【図1】は『AKB48ステージファイター』のユーザープロフィールをまとめたものです。まず、男女比から見ていきます。AKB48に対する世間一般のイメージや、実際にテレビやネットなどから伝わってくるニュースを見ていると、ファン層の中心は若い男性が圧倒的に多い印象がありますが、本作の男女比は6:4となっており、確かに男性の方が多数ではあるものの、思った以上に女性比率が高いことに驚かされます。また、課金率を見ても、女性が男性を上回っており、むしろ熱狂的な女性ファンの存在をうかがわせる結果が出ています。(課金率・・・男性:14%、女性:18%)

次に年齢構成ですが、MAU(月間アクティブユーザー数)は10代後半から40代後半までの各世代に渡って比較的広範にユーザーが分布しており、今や日本を代表するアイドルグループにまで成長した彼女たちの“ブランド力”を感じます。ただ、MPU(月間有料ユーザー数)になると各世代になだらかに分布していたMAUとは少し傾向が異なり、10代ユーザーの規模が他世代に比べて大きくなります。課金率も10代前半が34%、10代後半が22%と非常に高くなっています。その上の20代から30代にかけては10代に比べると有料ユーザーが少なくなります。しかし、興味深いのはさらにその上の40代ユーザーで、この世代になると再び有料ユーザーが多くなっています。課金率も10代ほどではないにせよ17%とかなり高い数値を示しています。(これは調査データに基づくものではなくあくまで仮説であり、想像の域を出ませんが)この40代という世代は、ある意味AKB48の大先輩であるともいえるアイドルグループ「おニャン子クラブ」が一世を風靡した時期に多感な学生時代を過ごした世代です。もしかしたら、AKB48のように“手の届く”あるいは良い意味で“素人っぽい”女性アイドルグループに対し好意的で高い受容性を兼ね備えているのかも知れません。また、かつてのファミコンからスーパーファミコンにかけてのユーザーでありながら、加齢とともにゲーム専用機の“一線”から退いたこの世代にとって、こういったソーシャルゲームの方が今の彼らのライフスタイルにフィットしているということもあるのかもしれません。

【図2】は『AKB48 ステージファイター』のプレイヤーを各デバイスに分解したデータです。規模として一番大きいのはフィーチャーフォンです。ユーザー全体(MAU)55万人のうちほぼ半分にあたる27万人がフィーチャーフォンでこのコンテンツをプレイしています。モバイル端末市場における話題性では今や完全にスマートフォンが主流となっている感もありますが、このようにユーザーベースではフィーチャーフォンはまだまだ現役であるということがデータの上からも分かります。ただし、MPU(有料ユーザー)となると傾向が異なり、有料ユーザー全体のうち3人に2人がiPhone(iPod touchも含む)ないしAndroidスマートフォンのユーザーとなっています。ちなみに、MAUよりもMPUの方がスマートフォン比率が高くなるという傾向はこのタイトルだけに見られる現象ではなく、多くのソーシャルゲームコンテンツで見られるものです。

これらのデータを踏まえつつ、比較データとして今度は同じAKB48を題材としたゲーム専用機タイトルの『AKB1/48 アイドルとグアムで恋したら…』のユーザーデータをご紹介いたします。【図3】は【図1】と同じように、本タイトルの性別および年齢分布をまとめたものです。このタイトルは先ほどの『AKB48 ステージファイター』とほぼ同じ時期(昨年10月)にPSPから発売されました。調査データは発売後2ヶ月が経過した時点のものです。なお、年齢分布についてはゲーム先行性を表す当社指標であるIPS(Innovative Power Segment)別に表示してあります。

ご覧の通り、男女比は8:2と、先ほどの『AKB48ステージファイター』とは違い圧倒的に男性中心の構成となっています。年齢構成についても傾向は異なり、20代前半のユーザーが他の世代に比べて突出して多くなっています。また、購入者全体としてはかなりイノベーティブなユーザー構成になっているものの、この20代前半については比較的[マジョリティ]も獲得できているところも特徴として挙げられます。それに対して、先ほどの『AKB48ステージファイター』では一定のユーザー分布が見られた30代後半以上のユーザー規模は、こちらの方ではかなり小さくなっています。同じAKB48を題材としたゲームでありながらここまでユーザー構成が異なる背景としては、もちろん片やソーシャルゲーム、こちらはゲーム専用機ということがあるでしょう。加えて、この『AKB1/48 アイドルとグアムで恋したら…』は、メンバーとの恋愛という男性目線でストーリーが展開するというのがゲームの基本フレームとなっており、このことも男性ユーザー比率を押し上げている要因でしょう。

このように、同じ題材でもプラットフォームやゲーム内容の違いによって、ユーザー構成が大きく異なることがわかりました。非常に似たタイプのゲームシステムを持つコンテンツが多い、言い方を変えればある意味において画一的なゲームシステムに異なる題材(IP、キャラクター)が付加されているコンテンツが主流を占めているともいえるソーシャルゲーム市場においても、今後はゲーム性の部分での多様化が重要になってくるのではないでしょうか。

ゲームエイジ総研
コンテンツアナリスト 池田 敬人

調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。
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