とある案件におけるTFS運用事例

2012.2.20第4回TFSUG#tfsug@int128

INTRODUCTION自己紹介

いわてぃ @int128 http://d.hatena.ne.jp/int128/ SIerに勤務するエンジニア。 WordやExcelより、コードを書いているほうが好きです。スーツ的な仕事? インフラエンジニアプログラマ2007 2008 2009 2010 2011 2012

私事ですが…

アジャイルな結婚式準備

本題

はじめにとある開発プロジェクトでTFSを運用した事例を紹介します。 http://d.hatena.ne.jp/int128/20111221/1324487491※本発表の内容は、私の所属する会社や組織の方針を反映するものではありません。

概要構成管理継続的インテグレーションデプロイメント概要

プロジェクトの成果物リッチクライアントのアプリケーションを提供した。 •  C# WPFアプリケーション •  マスタデータ（結構大きい） •  ドキュメント

チームマネジメント理想的な進め方を考えてみる。 •  ゴールと課題を明確にする •  朝会を実施する •  スタンドアップミーティング •  プロジェクターでTFSのタスクリストを表示しながら確認 •  壁に貼るホワイトボードがあると便利（希望） •  レビュー、検討会 •  プロジェクターがあると便利（IT企業なのに…） •  オフラインレビューやディスカッションも活用

チームポータルポータルサイトを上手く運用してチームの情報共有を進める。RSSやディスカッションを活用する。お知らせリンク Tips （参考情報）

開発環境当初は VS2008+Subversion（AnkhSVN）を利用 •  他案件ですでに導入済み •  Expression Blend 3後に VS2010+TFS に変更 •  Visual Studio 2010 •  SQL Server 2008 R2 Express •  Expression Blend 4 •  .NET Framework 3.5（制約）

開発サーバその辺に転がっているデスクトップPC •  Windows Server 2008 R2 •  Team Foundation Server 2010（後にSP1） •  SQL Server 2008 R2 Enteprise •  Office SharePoint Server 2007システム構成 •  シングルサーバ •  ドメイン参加 •  日次バックアップ

リポジトリやビルドサーバは拠り所。シングルポイントになってはいけない。•  速いマシン•  信頼できる構成•  運用しやすい仕組み

TFS2010のセットアップはとても簡単短時間でCI環境を構築できる。Windows Serverが使える人ならTFSを運用できる。「ビルド管理者」への一極集中を軽減できる。

概要構成管理継続的インテグレーションデプロイメント構成管理

ソースコード管理VS2010+TFS2010を全面的に採用した。 •  チェックイン、チェックアウトの操作に慣れればSVNとあまり違わないと思う。 •  分岐とマージについては説明資料を作った。 •  将来のバージョンで、Git+SVNのように分散バージョン管理の美味しいところを取り入れてくれたら嬉しい。

約束事バグやタスクの関連付け •  TFS+VSではチェックイン時にバグやタスクを画面で選択して関連付けられる。バグIDを手入力する必要はない。 •  チェックインの必須項目にはしなかった。最低でも1日1回のチェックイン •  トラディショナルな開発スタイルに慣れた人は、最初から完成品を目指してしまう。 •  チェックインは怖くない。コードの共同所有文化 •  リファクタリング

チームビルディング規約を示すより、お手本を示す

シェルブを使う作業中のソースコードをサーバに一時的に保管しておける。 •  git stash •  作業履歴 •  ちょっと大きな変更を加えるときに成果物を保管する。 •  コードレビュー的なもの •  他人がシェルブしたコードも見られる。 •  シェルブに入れたコードを相談や議論のネタにする。「動かないんですけど…」「俺のコードを見てくれ、どう思う？」

チェックインポリシーチェックイン時に制約を設けることが可能。 •  ビルドが通ること •  コード分析を実行済みのこと •  タスクやバグを関連付けていること •  チームの約束事として運用対処にした。 •  テストが通ること •  チームの成熟度に依存すると思う。

自動テスト？なにそれおいし(r

ユニットテストVS2010の標準機能であるMSTestを採用した。標準機能のメリット •  IDE上で完結する。 •  テストコードのスケルトンを自動生成できる。 •  カバレッジを測定し、実行されていないプロダクトコードを色分けして表示できる。 •  データドリブンテストが可能。 •  TFSの自動ビルドと統合されている。

データベースの管理スキーマとデータをリポジトリで管理する。 •  データファイル（MDF）をリポジトリにチェックイン •  アプリとデータベースの食い違いがなくなる。ファイルアタッチ機能を利用 •  開発環境でアプリを実行するとき、データファイルをローカルのSQL Serverに自動的にアタッチしてくれる。 •  実行時のデータベースを同一に揃えられるため、環境に起因するトラブルがなくなる。

ブランチラインの運用リリースに合わせてブランチを分ける。メインラインマージ分岐プロトタイプメンテナンス

概要構成管理継続的インテグレーションデプロイメント継続的インテグレーション

継続的インテグレーション自動ビルドの設定 •  チェックインごと or 定期的にビルドを実行する。 •  開発環境とビルドサーバのビルドをVS上でシームレスに設定できる。 •  ビルド結果はレポートで確認できる。自動テストの設定 •  自動化されたテストをビルド後に実行する。 •  テスト結果はレポートで確認できる。

スロービルドやスローテストは、継続的インテグレーションの障壁になる•  いつもビルドが走っている•  ビルドサーバが重い•  問題の発見が遅れる

落とし穴スロービルドの問題 •  大きなデータファイルはディスクと時間を食いつぶす。 •  TFSのビルドではいくつもの作業コピーを作られるため、データファイルがコピーされないように設定する。実行環境の問題 •  実行時のファイルアタッチ機能を利用できるのは、 SQL Server Express Editionのみ。 •  ビルドサーバはEnterprise Editionだった。 •  ビルドサーバにアタッチ済みのデータベースを用意し、テストのsetUp()で接続文字列を書き換える。

ビルドの成果物ビルド結果はビルドサーバの共有フォルダに出力する。 •  リッチクライアントアプリケーションの場合、誰でもいつでも実行できることが重要。 •  使ってみて発見できる問題に気づける。ブランチごとにビルド結果を出力する。

ビルドレポートVSやWebブラウザからビルドレポートを確認できる。 •  ビルドで警告があると黄色くなる。 •  ビルドやテストに失敗すると赤くなる。 •  テスト結果を確認する。

ビルド通知ビルド通知アプリケーションを利用した。メールでも受け取ることが可能。 •  問題の発見を早める。 •  VSを起動していなくても通知を受け取れる。 •  ビルドやテストが失敗すると赤くなる。

ビルドやテストのエラーに慣れてしまうと正しい状態が分からなくなる。•  リリース直前に頑張るはNG•  赤くなったら騒ぐ人は必要

概要構成管理継続的インテグレーションデプロイメントデプロイメント

デプロイメントCD-Rリリース •  お客様拠点にCD-Rを持ち込む。 •  端末へのリリースは手動で行うしかなかったため、煩雑な手順が問題になった。 •  サーバどこに置いてるの？ •  管理者アカウントは？限られた状況で改善すること •  CD-Rを焼くまでは誰でもワンクリックで •  ビルドサーバの共有フォルダに出力された成果物を焼く。

まとめTFSのインストールや管理は簡単。短時間でCI環境を構築できるメリットは大きい。リポジトリでデータベースを管理すると、開発環境の管理がとても楽になるし、環境に起因する問題が激減する。ビルドエラーや警告から目を背けて、赤い日々や黄色い日々を過ごしてはいけない。

ご清聴ありがとうございました。

とある案件におけるTFS運用事例

by int 128 on Feb 21, 2012

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