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【国際】

山本さん殺害 関与認めるネット映像 拘束の政府軍下士官

反体制派が拘束したシリア政府軍の下士官。31日、反体制派がフェイスブックに映像を公開した

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 【カイロ=今村実】内戦状態にあるシリアでのジャーナリスト山本美香さん=当時(45)=殺害事件で、現場となった北部アレッポの反体制派「自由シリア軍」の有力部隊で、山本さんらに同行した「タウヒーデ」は三十一日、拘束した政府軍の下士官が犯行への関与を認めている映像を、インターネットを通じて公開した。

 白いTシャツ姿の軍下士官は壁を背に立ち、「政府軍の一七〇部隊のビタール」と名乗った。映像からは負傷痕などは見当たらず、はっきりした口調で語った。事件前、首都ダマスカスからアレッポに向かうよう、上司に命じられたという。

 「アレッポで(政府軍と民兵集団の)会合に出席した際、軍士官らから報道関係者を暗殺するよう命令を受けた」と証言。事件を起こすことで、潜入取材を試みる各メディアの記者を支援している自由軍を、非難する狙いがあったという。

 軍下士官は、二人の実行犯を名指しした上で「彼らは負傷した別の記者らを、見知らぬ場所に拉致した」と語った。山本さんらに同行し、政権側に拘束された可能性があるトルコ人カメラマンらを指すとみられる。

 インターネットを通じた本紙取材に対し、タウヒーデ部隊の幹部は、実行したのは、アサド政権派の民兵集団「シャビーハ」の中でも、どう猛さで知られる地元の「アルマルダル」一族だと指摘。

 二十日に発生した事件の三日後、タウヒーデ部隊は軍下士官を拘束したという。現在はアレッポで聴取を受けている。身柄の取り扱いについて部隊は「未定」としつつ、日本の警察当局に協力する意向を示している。

 

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