その一方で、若くして財閥総帥になり、無理を重ねてきたからか「犯罪」とも縁が切れないオーナー会長だった。
1994年には外国為替管理法違反で懲役1年、執行猶予2年の有罪判決を受けた。
極めつけの「子供のけんか報復暴行事件」
2007年にはもっとすさまじい事件を起こしている。前代未聞の「財閥オーナー会長、子供のけんか報復暴行事件」だ。
会長の次男が、ソウルの飲食店でけんかとなり、血まみれになって帰宅した。会長は、変わり果てた子供の様子を見て仰天する。告訴するために弁護士を呼ぶとか、警察に被害届を出すというのなら分かる。だが、会長はそんな甘い手段は選ばなかった。
グループの警備担当者や自分のボディガードなどを総動員してけんか相手を探し出した。挙げ句の果てに、建設工事現場に連れ込み、殴る蹴るの暴行を加えた。
会長自身も暴行行為に及んだという。
こんなすごい犯罪でも、会長は、懲役1年6カ月、執行猶予3年、社会奉仕活動200時間の判決を受けただけ。
翌年には、大統領の「特赦」が出て、罪が消えてしまった。大統領による特赦の理由というのは、「国家経済に貢献している」ということだ。
今回も、こういう情状酌量を意識したのか、ここ数カ月の金会長の猛烈な仕事ぶりは経済界でも大きな話題になっていた。
「国のために仕事する機会を・・・」最終公判で嘆願
イラクでは、現地政府との交渉の末、大規模復興建設工事を受注した。イラクでの復興事業として過去最大規模とも言われる。
ハンファグループは、太陽光関連事業を「未来中核事業」に選定して力を入れているが、かつて世界最大のパネルメーカーで経営破綻したドイツのQセルズの買収に名乗りを上げた。
さらに金融事業強化のため、東南アジアと国内の生命保険会社の買収も表明した。
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