目出し帽集団、六本木クラブで３１歳男性を撲殺

目出し帽集団が鉄パイプで殴殺する事件が起きた東京・六本木の飲食店周辺

　東京・港区六本木５丁目の雑居ビル２階のクラブで２日未明、３１歳の男性が、目出し帽をかぶった男ら約１０人に鉄パイプのようなもので襲撃され、死亡する事件があった。男性は中野区上高田の飲食店経営・藤本亮介さん（３１）。事件当時、男女５人で酒を飲んでおり、巻き添えを食った男性の友人２人も軽傷を負った。男らは襲撃後、車数台で逃走した。警視庁捜査１課と麻布署は、計画的な犯行とみて捜査している。

　藤本さんが襲われたのは、東京メトロ六本木駅の南東約３００メートル、外苑東通り沿いのビル２階にあるクラブ。２０～３０代向けのイベント・パーティー会場で、若者の間ではナンパスポットとしても知られている。事件があった夜はヒップホップのイベントがあり、約３００人の客でにぎわっていたという。

　警視庁によると、藤本さんは午前１時ごろ、男女５人で入店。店の奥で、Ｔシャツに短パン姿でリラックスした様子で酒を飲んでいた。午前３時４１分、突然、目出し帽をかぶった男ら約１０人が乱入し、鉄パイプや素手で一斉に無言のまま殴りかかったという。同席していた２人が軽いけがを負ったが、狙われたのは藤本さんだけだったようだ。

　店内には悲鳴が起きたが、約１分間の暴行後、男らは他の客には手を出さずに外苑東通り沿いに止めて置いたバン数台に乗って一目散に逃走。目撃者の話では、藤本さんは無言のまま無抵抗で殴られ続けていたという。

　救急車、パトカーが駆け付けた未明の六本木は騒然となった。午前４時ごろ、救急隊員が駆け付けた時には、血まみれになった藤本さんの意識はなかった。心臓マッサージを受けた後、救急病院に搬送されたが、午前５時５分、死亡が確認された。死因は顔面・頭部打撲による頭蓋内損傷とみられ、３日に帝京大病院で司法解剖して詳しく調べる。

　店の関係者によれば、事件現場となったクラブは、男性は２５００～４０００円、女性は１０００円で入場できてドリンクが付く。客のほとんどは２０代で、最大で６００人が入れる。都内最大規模と言われていた西麻布のクラブが今年７月に閉店して以降、客数は増えていたという。

　２日夜、クラブは休業。警官が周辺を警戒していた。捜査１課と麻布署では藤本さんの顔見知りの犯行とみて交友関係を調べている。

（2012年9月3日06時05分スポーツ報知）