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先日の記事、〈いちばん好きな紙ジャケット、キング・クリムゾン『リザード』
でいただいたコメントを読んでから、あらためてクリムゾンを聞き直しています。ほとんどが紙ジャケですが、『宮殿』のアルバムはふつうのCDです(紙ジャケを買い集めた2004年のその頃、どこでも売り切れっぽかったのでした)。

まずは、『太陽と戦慄』。これは、コンセプトアルバムらしい構成と演奏ですね。太陽と月、陽と陰の組み合わせみたいなアルバムカバーアート。原題の意味深なニュアンスとどう繋がってくるのでしょう。

Lark’s Tongues in Aspic/King Crimson


Amazon.co.jp

Lark’s Tongues in Aspic

1. Larks' Tongues In Aspic, Part One
http://youtu.be/_ocyz_9dtT0 (13:27)

2. Book Of Saturday ※
http://youtu.be/R6W4XV8o7uw (02:57)

3. Exiles ※
http://youtu.be/NWAbNIMsveI (07:45)

4. Easy Money ※
http://youtu.be/_Tgtnk3w5tA (07:56)

5. The Talking Drum
http://youtu.be/i89ZvBaOojM (07:25)

6. Larks' Tongues In Aspic, Part Two
http://youtu.be/mqLxfFEzw5I (07:15)


※の歌詞については、クリムゾンの和訳と解説をくわしく紹介しているサイトがあります。

KING CRIMSON 和訳集「ラークス・タングズ・イン・アスピック」
http://homepage3.nifty.com/~crmkt/05larksj.htm

歌詞のついた曲は、詞が初期に比べると現実的になっているのですが、ストーリーを感じることができるという点でも聞き応えがあると思います。
そのあたりをあれこれと書き込んだことのある、「キング・クリムゾンを語りましょう」のスレッドから引用します。



[62] ゆう 2004/09/07 00:25

始めまして。
クリムゾンでは「太陽と戦慄」が一番好きですね。

デヴィット・クロスはこの時代のメンバーの中では一番線が細いけど、その繊細さがあれだけの緊張感を与えていたと思います。
あと、あまり語られることがないようですけど、パーマー・ジェイムスの詩が好きです。

この人の書く詩は日本人には理解しづらいけど、訃音と言えばいいのかな単語の数とかが丁度良い感じ。
シンフィールドが詩を書いていた初期では「クリムゾン・キングの宮殿」が一番好き。



「Larks' Tongues in Aspis」は「ゼリーの中の雲雀の舌」でまんまセックスを表しているらしいです。

Aspicはイギリスのお菓子に良く使われるゼリーらしいです。
ところで「エマニエル婦人」の問題は解決したのでしょうか?



今の「USA」はどうなんでしょう?
やはりエディ・ジョブソンに差し替えられているのでしょうか?

この時のLive音源をブートで所有していますけど、デヴィット・クロスの演奏が悪いとは思えないのですが・・・何か他の理由があるのですかね?

もっとも差し替えで済んでいるデヴィット・クロスはまだ良かったですね。
ゴードン・ハスケルは今や無かった存在にされてますから。

西村雅彦がアルバム「DECO」の中で「21st Century~」をカヴァーしています。


[63] はるか 2004/09/08 10:25

>>62
>あと、あまり語られることがないようですけど、パーマー・ジェイムスの詩が好きです。

歌詞の担当者で分けてみると、いちお三種類になりますね。

韻を踏むとかの洋楽の詩のお約束みたいな、技術のことは置いといて、雰囲気で振り返ってみますか。


[64] はるか 2004/09/08 10:26

第1期■ ピート(ピーター)・シンフィールド 

 『クリムゾン・キングの宮殿』(1969)から『アイランド』(1971)まで。

KCへの参加は以前同じバンドを組んでいたイアン・マクドナルドの紹介。
グレッグ・レイクは『ポセイドン』(1970)の後、ELPでもピートの詩を歌うのですが、 叙情的なバラードっぽい曲は、70年代のレイクの高音の透明感のある声ともよく合ってたと思います。
ピーターは、音楽の前に文学に親しんでいた所為かロマンティックな詩も多いし、吟遊詩人っぽい感じ。
『アイランド』は、クリムゾン結成前にスペインやモロッコを放浪したころ訪れた、地中海の島々の印象をもとにしたそうですが、「フォーメンテラ・レディ」にはギリシャ神話のオデッセウスの航海もちょこっと登場します。


[65] はるか 2004/09/08 10:27

第2期■ リチャード・パーマー・ジェイムス
 『太陽と戦慄』(1973)から『レッド』(1974)まで 


スーパートランプの1stアルバム(1970)でギターと作詞担当でメジャーデビュー。
KCに誘ったジョン・ウエットンとは学生時代からの仲間で同じバンドですから、曲に乗せる感じで書いていく言葉使いはピーターより意識してたかも。
繊細かつダイナミックな言葉運びになってきますね。
『太陽と戦慄』以降、善と悪、明と暗、白と黒、聖と俗、夢と現実みたいな、決断をせまられるような感じ。
レイクよりもちょっとタイトで乾いた感じのするウエットンの声にも合ってたと思います。
『スターレス・アンド・バイブル・ブラック』でレンブラントの「夜景」のイメージを歌う「ナイトウオッチ」は、栄光の影には日常というような、光と影~夢と現実の識別に思い入れを持つリチャードの感性がわかりやすい詩だと思います。

絵に例えると、ピーター=水彩画、リチャード=油絵のような…


[66] はるか 2004/09/08 10:28

第3期■ エイドリアン・ブリュー
 『ディシプリン』 (1981)以降

FザッパやBイーノに認められてDボウイのアルバムに参加、 トーキング・へッズのメンバーになってツアー中にRフリップに誘われてKCへ。
クリムゾンでは、初の、自作の詩を歌ったリード・ヴォーカリスト。
詩は、ピーターやリチャードの頃と比べるとだいぶシンプルですが、ストレート感も強くなってますね。
言葉遊びっぽい感覚がふえるところはみなさまの好みが分かれちゃうかもしれませんが、ある意味立体的な世界でしょう。


[67] はるか 2004/09/09 08:11

>>65
すみません誤字訂正m(_ _)m 


X...レンブラントの「夜景」 

○...レンブラントの「夜警」

ついでに絵の紹介… 
ライブ盤『ザ・ナイトウォッチ - 夜を支配した人々』はアムステルダムでのライブですし・・・

 

"The Nightwatch...The compy of Frans Banning Cock" 
(1642年) 363x437cm油彩 アムステルダム国立美術館


http://ist-socrates.berkeley.edu/~ah108/Amsterdam/Museum/genpaintings/page3/nightwatch.htm




集合肖像画の傑作と言われる「夜警」。
17世紀のアムステルダムは貿易関係のトラブル対処もあって、市民による警備隊で護られていたのだそうです。

その警備隊の一団が市庁舎を出発しようとする様子。 
中央右寄りの隊長を中心に、レンブラントの好んだ光と闇の対比が導入されていますが、
幻想のように少女の姿が混じって輝いているところは、意味深というか、プログレッシヴというか…。


[68] ぴー 2004/09/13 02:05

80年代以降のクリムゾンもやっぱりいいです
クリムゾンのすごい所は当時は何だこりゃと思っても
何年かたって聞くとすごくかっこよく聞こえたりするから
不思議です 早く新譜でないかな?


[70] K 2004/09/21 01:34

フラクチャーってどのくらい難いんですか


[71] Show 2004/09/24 12:52

80年代クリムゾンも、今聞くと悪くはないと思いますし、必ずしも否定はしません。
しかし、詞の世界だけは、薄い感じがしますね。時代には合っていたのかな?


[72] はるか 2004/09/24 18:33

>>71
プログレに限ったことじゃなく、時代には合ってたというか、なんとなく詩の重要度がうすめになってた時代だと思いますー80年代後半から90年代前半あたり。
70年代のプログレの歌詞って、短編小説っぽかったり哲学的な雰囲気のも多かったような気がします。それは、長尺とか変拍子などと共に、プログレッシヴ・ロックの特徴のひとつみたいになってましたね。

>>64でお話したピーター・シンフィールドは、在籍期のアルバムのブックレットにも写真が載ったりしてますが、さわやかなスマイルの青年です・・・クリムゾンの作詞専門のメンバーとしてスカウトされた人ですが、作詞専門のメンバーってめずらしいケースだと思います。




……というわけで、歌詞の話をしていても絵の話が入ってくるログでした。
どっちかというと20世紀の画家のほうが好きなわたしですから、レンブラントのようなオールドマスターズには詳しくないのですが、『夜警』は、とても心を惹かれる作品です。クリムゾンの曲がきっかけになって、画集を探しに行ったのでした。
ログ内のサイトはデッドリンクなので、アムステルダム国立美術館の『夜警』コーナーを記しておきます。
http://www.rijksmuseum.nl/aria/aria_assets/SK-C-5?lang=en



それにつけてもですが、作詞というのはそれなりにたいへんだと思います。

むかし、バンドをやっている友人たちから詞の作りかたを少し教えてもらったことがあるのですが、字脚とかフォームとかもそのときにはじめて知りました。
楽器が弾けるひとなら、詞は曲といっしょに生まれてくるケースが多いんですよね。
でも、なかには、詞だけを先に書くことが五回のうちの一回ぐらいはあるというピアノ弾きもいました。
理由を訊いてみたところ、同じ作り方だとワンパターンになりやすいからだそうで、あるときはリズムのところだけを先に仕上げてみるとか、サビではなくエンディングを先に作ってみるとかで、何種類かのメソッドを用意してあるとのこと……ミュージシャンってスゴイと思ったものでした。
 

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