学校の風景140年:学校図書館 位置付け、隅から真ん中へ

毎日新聞 2012年09月03日 東京朝刊

 ◇「新学力観」養う場に期待 指導者の養成など課題

 最上階のあまった教室。学校の図書館(室)というと、そんなおまけのようなイメージだった時代がある。静か。よく無人で鍵がかかっている。未整理。そんな記憶を持つ世代もあるだろう。今は総合学習や調べ学習、各教科の授業にも積極的に活用し、いつも開いている学習センターの役割を期待される時代。多様な本や資料をそろえるだけではなく、指導者養成も課題だ。隅から真ん中に。学校図書館の位置付けが変わりつつある。【玉木研二】

 夏休み前、東京都荒川区立瑞光(ずいこう)小学校。6年の調べ学習が学校図書館で始まった。

 区の学校図書館支援室から派遣された藤田利江主任指導員が学校司書、クラス担任と協力して進める。

 「お金」「亀」「地震」「セミ」「太陽」「時計」「パンダ」……。さまざまなテーマ群から子供たちは調べたいものを選ぶ。

 中央に円が一つ、その周囲に六つの円を描いた紙が配られている。子供たちは中の円に自分が調べたいテーマを記入し、知りたいこと、関連して調べたいこと、疑問などを周囲の円に書き込む。新聞記者の取材準備のようなものか。

 子供たちは早速図書館の図鑑や関係ありそうな本を探し出し、先生らのアドバイスも受けながら、調べを発展させていく。わかったこと、そして感想をカードに整理して書く。そして1枚の紙にまとめて発表だ。

 亀を調べた子は、美しく硬い甲が身を守るためのものと知り、さらに他の生き物に関心を広げた。

 図書館の壁にはこう張り出している。「テーマを決めよう→調べよう、集めよう→記録しよう→まとめよう→広めよう」

 図書館教育に力を入れてきた荒川区は、09年から支援室を発足させ、専門的な指導力を備えた藤田さんらが学校のサポートに巡回するほか、研修会で人材養成もしている。自治体を挙げての活動は全国でも数少ない。

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