産卵場所の砂浜から次々とはい出る子ガメ=常滑市大谷で
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常滑市の大谷海岸で二日、ふ化したアカウミガメの赤ちゃんが、砂の中から姿を現し始め、地元の人たちに見守られながら、次々に海へと旅立った。
大谷海岸では、七月十一日早朝に母ガメが産卵しているのを、近所の人が確認。海水に漬かる恐れがあり、調査した南知多ビーチランドが八月初め、三百メートルほど北の波が届かない砂浜に移動させていた。付近では産卵の記録がなく、大谷地区の人たちが様子を見続けてきた。
変化があったのは、二日未明。卵のある場所がくぼみ始め、午前四時ごろに一匹が先頭を切って砂から脱出し、はうように海を目指した。午前七時すぎにはいずれも体長は一〇センチほどの六匹、十時前にも一匹が続いた。
海に入ろうとする子ガメを見守る子どもたち=常滑市大谷で
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名古屋市千種区の瀉上(がたがみ)洋子さん(39)、進之丞(しんのじょう)君(11)と同市東区の斎香織さん(44)、采伽(あやか)さん(9つ)の親子二組は、近くの水上スポーツ施設でウミガメの話を聞き、この日は午前三時半からふ化を待った。「思ったより動きが速かった」と進之丞君と采伽さん。
近くに祖父母宅がある常滑市西浦北小五年の沢田遥水(はるみ)君(10)は「自然のウミガメを見たのは初めて。また常滑に戻ってきてほしい」と目を輝かせた。夏休み最後の日とあって、海岸は多くの人でにぎわい、居合わせた親子らも小さな命を励ました。
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