◇フジサンケイC<最終日>
▽2日、山梨、富士桜CC(7437ヤード、パー71)▽雨、気温21・3度、風速1・6メートル▽賞金総額1億1000万円、優勝2200万円▽61選手▽観客3434人
池田勇太(26)=日清食品=が今季自己最高の2位に入った。7バーディー、3ボギーでこの日のベストスコア67をマークし、通算7アンダー。優勝には1打届かなかったが、5打差からの猛追に本人は納得顔。尾崎将司が持つ27歳8カ月でのツアー10勝最年少記録の更新へ、自信を深めた。2010年の賞金王・金庚泰(キム・キョンテ、韓国)が通算8アンダーに伸ばし、逆転で今季初優勝を果たした。
最後まで盛り上げた。最終18番。バンカーから2打目を放ち、池田が叫ぶ。「ゴー!!」。気合を込めた一打はピン横1メートルにピタリ。「狙ったよ。ナイスバーディーだろ」。きっちり沈め、首位に並ぶ7アンダーでホールアウト。最後は金に振り切られたが、白熱の優勝争いを演じた若大将に拍手が降り注いだ。
猛追だった。首位と5打差でスタート。だが、2番から3連続バーディーで一気に詰め寄り、6番で首位タイに。8、9番で落としても、14番で1メートルを沈めて再び首位タイ。16番で池に落としたが、18番で三たび首位タイに詰め寄った。最後は1打届かなかったが、何度もよみがえって今季ベストの2位。「久々にいい戦いができた。100点満点に近い」と笑った。
“相棒”もフィットした。2週前から握っているのは3年前に賞金王争いを演じたときのアイアン。「遊びで振ってみたら良かった」。倉庫から引っ張り出してきたクラブで、4日間のパーオン率は2位の75%。「もともとショットは悪くなかったけど、内容はかなり良くなっている」と手応えを口にした。
尾崎将司が持つ27歳8カ月でのツアー10勝の最年少記録更新はお預け。だが、次戦のトーシントーナメント(涼仙GC)、ANAオープン(札幌GC輪厚C)はいずれも過去に勝った大会だ。「これから大きな大会がある。輪厚あたりで勝ちたいね」。昨年7月から遠ざかる優勝へ。勝負の秋を見据え、若大将がここからギアを上げていく。
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