練習試合でアピールに成功した望月。後方は増川=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスが獲得に乗り出している野洲高3年MF望月嶺臣(れお=17)の来季新加入が2日、事実上内定した。望月はこの日、同じく加入が確実となっている阪南大4年のDF本多勇喜(21)とともに、トヨタスポーツセンターで行われた愛院大との練習試合に参加。“最終入団テスト”となった45分間で首脳陣の高評価を勝ち取った。グランパス側は早ければ来週中にも正式な獲得オファーを出す方針で調整に入った。
超高校級テクニシャンが、実戦の舞台でグランパス入りを勝ち取った。滋賀県から応援に駆けつけた両親が見守るなか、望月は後半から登場。一つ年上のMF水野とダブルボランチを組んだ。水野が積極的に攻撃のリズムをつくったためボールに絡む回数自体は多くなかったが、ミスやボールを失うシーンはほぼ皆無。後半40分すぎには前線のFW巻に「自分の持ち味」と言う見事な縦パスを通し、決定的チャンスを演出した。
167センチと小柄なこともあり、28日からの2日間の練習参加では即加入内定となるまでの評価は得られなかった。それでも実戦となれば、天性のサッカーセンスの片りんを見せるには45分間で十分。初めてプロの選手に交ざって出場した試合に「すごく楽しかったというのが第一印象」と話し「技術とか、自分の得意なところは通用すると思った」と手応えもつかんだ。
最終テストとして見守ったストイコビッチ監督も「(本多を含め)2人ともグッドプレーヤーだ」と太鼓判を押した。獲得に向けては、「フロントが今話し合っているが、私は『満足した』と伝えた」と推薦。久米GMも「17歳でプロに交ざってあれだけ遜色なくできればたいしたもの」と納得し、獲得を前向きに検討することを明言した。
C大阪も獲得を検討しているため、グランパスは早ければ来週中にも正式な獲得オファーを出す方針。U−17W杯にも出場した逸材を、次世代の司令塔として育て上げる。
【望月嶺臣(もちづき・れお)】 1995(平成5)年1月18日、滋賀県竜王町生まれの17歳。167センチ、57キロ。セゾンFCから野洲高に進み、U−17日本代表として昨年のU−17W杯でベスト8進出。高い技術で試合のリズムをつくるセンターMFだが、パスだけでなくドリブルやFKにも秀で、左サイドでもプレーできる。
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