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【プロ野球】

村田が決勝弾 巨人70勝、マジック19

2012年9月3日 紙面から

◇巨人2−1DeNA

 巨人が競り勝って両リーグ一番乗りで70勝に到達した。6回に村田の左前打で先制し、1−1とされた直後の8回には村田が勝ち越しの11号ソロを放った。山口が3勝目。DeNAは2失点の加賀美を打線が援護できなかった。

      ◇

 ホームラン打者のプライドを取り戻し、チームを救う一撃だった。巨人・村田が同点の8回、決勝の左越え11号ソロ。昨年5月以来、移籍後初となる2試合連続弾で、チームに両リーグ一番乗りの70勝目をもたらした。

 左翼ポールのはるか上を越えていった打球。中畑監督の抗議でビデオ判定にもつれこんだが、確信があった。「最後のところで切れないで、スーッと飛んでいきましたからね。ヘッドが効いた、いい打ち方をしたんだと思います」。ビデオ判定を経て本塁打が認められると、再び大歓声が村田に降り注いだ。

 8回のクロスプレーで阿部が負傷。リリーフエースの山口が失点して同点に追いつかれた直後だった。ドームに漂った嫌なムードを吹き飛ばすアーチが、村田の頭にあった。

 「ホームランを狙っていた。そういう打席は数少ないですけど」。片膝をつくほどのフルスイングで加賀美を粉砕。打ってほしい時に打つのが主砲。横浜(現DeNA)で4番を張り続けた男の姿が戻ってきた。

 かつて2年連続本塁打王に輝いた男に自覚を促すアドバイスがあった。1日の練習前、村田打撃コーチが歩み寄った。「長距離を打てるのは天性。そういうバッターは限られているし、狙っていいバッターは一握り。捨てるのはもったいない」。チームへの貢献を重んじるあまり、ボールを前でさばいてヒットにする場面が目立っていたが、村田コーチは意識の転換を求めた。「長距離打者は阿部さんにしてもみんな軸で回転している。後ろ足に残すことを意識するようにした」と村田。

 首脳陣の期待に2戦連発、2試合連続猛打賞で応えた。6回1死一、三塁で先制の左前適時打を放ったのを含め、全打点をたたき出した。

 ようやく本来の姿を見せ始めたFA砲に原監督も、「非常に打撃の形がいい。ああいう場面で決めてくれたのは良かった」とニッコリ。

 優勝マジックは19。V奪回へ着々と前進する巨人にとっても、村田の“変身”は心強いばかりだ。

  (臼杵秀之)

 

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