尖閣:政府、20億円で購入方針 都要求の避難港整備せず
毎日新聞 2012年09月02日 20時10分(最終更新 09月02日 21時44分)
政府は尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化に向け、魚釣島、北小島、南小島の3島を国が直接購入することで地権者との最終的な協議に入った。金額は約20億円を軸に進めており、購入時期などを含めて詰めの交渉を行っている。早ければ11日にも関係閣僚会議を開き、国有化の方針を確認する。ただ、東京都の石原慎太郎知事が野田佳彦首相に提案した漁船の避難港の整備は見送る方針で、石原氏らの反発が予想される。
首相は8、9の両日、ロシア・ウラジオストクで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する。この際に、中国の胡錦濤国家主席との会談が予定されていることから、首脳会談で議題に上ることを避けるため、国有化方針の発表はAPECからの帰国後を想定している。
尖閣諸島は5島からなり、政府が国有化する方針の3島は、いずれも埼玉県内に住む男性が地権者。政府は年度ごとに賃貸契約を結んでおり、来年3月末には今年度分の賃貸契約が切れることから、早期の交渉妥結を目指してきた。5島のうち久場島(くばじま)は防衛省が借り上げており、大正島は国有地になっている。