au版「LINE」を9月3日から開始、未成年者保護の対策を強化

au版「LINE」を9月3日から開始、未成年者保護の対策を強化 (ロイター)

[東京 30日 ロイター] KDDI<9433.T>は30日、スマートフォン(高機能携帯電話、スマホ)向けサービス「auスマートパス」の利用者に向けて、NHNジャパン(東京・品川)の無料通話・メールアプリ「LINE(ライン)」を9月3日から提供すると発表した。

月額390円でアプリが取り放題のauスマートパスの品ぞろえに、人気アプリのLINEを取り入れることで新規顧客の取り込みを狙う。LINEはサービス開始から約14カ月で国内のユーザーが2500万人、世界で5500万人を達成しており、若者を中心に急速に普及している。

auスマートパスで提供するLINEでは、メールをする際に感情を絵文字で表現できる「スタンプ」のオリジナル版を無償で利用できるほか、有料のスタンプやコンテンツの購入にKDDIの決済サービスやポイントも使える。また未成年者保護の対策として、KDDIの契約者情報で年齢確認を徹底し、18歳未満の利用者には「ID検索機能」を制限する機能を導入した。ただしKDDIとNHNジャパンで契約者情報は共有しない。

LINEをめぐっては、ID検索機能を悪用して知り合い、女子高校生への暴行事件が発生するなど未成年者保護の問題が指摘されており、業務提携したKDDIの対応も注目されていた。NHNジャパンの舛田淳執行役員は、今回の対策について「『出会い系』への対策としてかなり効果が高い」と語り、今後も効果を検証し、「他のキャリアとも段階的に進めていきたい」と述べた。KDDIの雨宮俊武新規ビジネス推進本部長も「これだけで不十分なら、今後何ができるか検討していく」と述べた。

今年3月からサービスを開始したauスマートパスの会員数はすでに200万人を突破しており、今年度中に500万人を目指す。雨宮氏は「来年度以降も同じペースで伸ばしていきたい」としている。現在600を超えた提供アプリの数については、追加と終了を交えながら「600―700で安定させたい」とし、「一方的に増やすことだけを考えず、質で勝負したい」と述べた。

(ロイターニュース 白木真紀)

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