 のぼりべつクマ牧場の開園50周年を記念したセレモニーが17日、登別市登別温泉町の同園で行われ、半世紀の節目を祝い、次の50年へ踏み出した。
同園は昭和33年に登別温泉街から約1・3キロの通称クマ山に開設された。本道に生息する野生のエゾヒグマ8頭でスタートし、世界で初めてヒグマの多頭集団飼育に成功。現在約120頭を飼育している。
関係者ら約30人が出席。アイヌ民族の生活様式を再現した「ユーカラの里」で民族儀式カムイノミ(神への祈り)を行い、水の神、火の神に50年間の感謝と今後の繁栄を祈った。萱野茂二風谷アイヌ民族資料館の萱野志朗館長は「ユーカラの里は国内屈指の野外博物館。クマ牧場とともにさらに発展することを祈念したい」とあいさつした。
ヒグマ博物館1階で開かれた式典では、登別温泉ケーブルの加森公人会長が「50年間にわたるロープウエーの輸送人員は約3800万人。大勢の皆さまに支えられてきました」と感謝を述べた。
加森会長は「加森観光グループ成長の原点はクマ牧場で、多くのことを学んだ。50年の重みを感じている」と振り返った。ヒグマを強化ガラス越しに見学できる今春の「人のオリ」改修のほか、ステージを改装して新たな行動展示を計画しており、「100年目を迎えられる施設となるよう続けていきたい」と決意を語った。
セレモニーでは登別温泉とクマにまつわる郷土芸能「熊踊(くまおどり)」が披露された。
きょう18日から過去50年を振り返る写真展と、5月から6月に実施したフォトコンテストの入選作品展が始まる。 (高橋紀匠)
【写真=クマ牧場の繁栄を祈願したカムイノミ】
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