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浮いて津波を防ぐ?最新鋭「堤防」のすごい仕組み

東北大震災では地震による津波が数多くの尊い命を飲み込みました。国・自治体・企業は、想定される次の大地震・津波に備え新型防波堤を開発・整備中。「東南海・南海地震」 に備え、 和歌山下津港に世界初 「浮上式防波堤」を建設。その防波堤とは一体どういったものなのでしょうか?ここにまとめてみたいと思います。

更新日: 2011年08月19日RSS

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▼浮上式防波堤とは?

平常時は航行の障害とならないよう海底に格納。
津波来襲時に空気圧(水圧等)で海面に現れる浮上式の防波堤のこと。

▼代表的な浮上式堤防

1)直立浮上式防波堤

津波・高波が来襲したときなど、異常時にだけ海底から上部鋼管が、「直立」に浮上する可動式防波堤。

2)浮体形式防災構造物

堤防を上げる動力源に津波・高潮に伴う水圧を活用する自律型防波堤。

3)フラップゲート式津波防潮堤

フラップ 「パタパタと開閉する」ゲートを持つ。津波の浮力のみで動作。陸上型・海底型がある。

▼浮上式堤防の特色

1)直立浮上式防波堤

津波・高波が来襲したときなど、異常時にだけ海底から上部鋼管が、「直立」に浮上する可動式防波堤。

直径約1メートルから2メートルの二重管構造の鋼鉄管を垂直に並べて「壁」を作る。

《通常》
海底地盤中に格納

《津波時》
空気圧を送り込むと内側の管が海面上にせり上がることで、鋼管の壁を作り波から港を守る。

壁を構成する二重構造の鋼鉄管。

図のように、空気で中の菅を浮上させる。
管の高さは空気の量で調節可能。

■平常時
(上部鋼管を海底に格納)
   ↓
■高波・津波警報発令
(空気を早期・上部鋼管を浮上)
   ↓
■高波・津波警報解除
(空気を廃棄・上部鋼管を降下・収納)

2)浮体形式防災構造物

堤防を上げる動力源に津波・高潮に伴う水圧を活用する自律型防波堤。

通常は、格納された状態。

堤防を上げる動力源に津波・高潮に伴う水圧を活用。
津波が来れば、自然と素早く立ち上がり、その姿勢を維持。

3)フラップゲート式津波防波堤

フラップ 「パタパタと開閉する」ゲートを持つ。津波の浮力・水圧のみで開閉動作する。陸上型・海底型がある。

緊急時には人為操作なしでも自然の力を活用して自立閉塞することができる(電気が必要ない)

平常時、扉体は海底に格納された状態。
津波が押し寄せると浮力でゲートを立ち上がり、港内の水位が上昇するのを防ぐ。

フラップゲート式津波防波堤の実証試験機。

装置は幅7メートル、長さ21メートル、高さ13メートル。
波や水面上昇の浮力活用、空気を送り込むことでも自動で立ち上がる。

▼メリット

海底地盤中に格納されている為、地震に対する安全性が高い。

故障が少なくメンテナンス費用が安い

シンプルな機構で大掛かりなモーターがいらないので故障が少なく、メンテナンス費用も安くで済む。

シュミレーションでは波の力を7、8割軽減できる

開発者の話では、管を並べる構造のために波を100%カットすることはできないが7、8割は軽減できるそう。

通常時、船の航路を妨げない

「浮上式」なら航路上にも建設できるため、何重にも防波堤を置くこともできる。

▼関連リンク

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このまとめへのコメント0

1

累宮さん

アート大好きな感じかもしれない!

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