NAVERまとめはオンラインコンテンツの流通を「人間中心」に変えるか

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2012/09/02


NAVERまとめ考察の第二弾。第一弾はこちら


Googleを超える手段としての「編集」—“人力まとめ”で『検索を次のステージに』

もともとNHN Jappanは「NAVER」という検索エンジンを主要なプロダクトとして位置づけてきた会社です。が、ご存知の通り検索市場にはGoogleという圧倒的な敵が存在します。

NAVERまとめがスタートした際の記事を読むと、「システム型アプローチと人的なアプローチを組み合わせて、サーチコミュニケーションプラットフォームを提供する」「“人力まとめ”で『検索を次のステージに』」なんて言葉が見られます。

彼らは「人的な編集」が、Googleのような「機械的な収集」に勝つための要素となる、と考えてこのサービスを始めたのでしょう。


機械=Googleではなく、人間=NAVERまとめに拾ってもらう

「SEO」という言葉があるように、僕たちウェブマーケター、ウェブクリエイターは、Googleのことを考えてコンテンツを制作します。僕自身もよくやりますが、検索エンジンを意識するあまり、もはや人間にとってはちょっと読みにくいようなタイトルとかも付けてしまったりします。

NAVERまとめは、こうした「機械中心」のコンテンツ制作を、もう一度「人間中心」に引き戻す可能性があるサービスです。


例えば僕は、たまに「BLOGOS狙い」の記事を書きます。打率はそれほど高くありませんが、それなりの確率で掲載されます(編集部の方々ありがとうございます)。人が介在する(編集する)ことで、コンテンツ制作者も人を見るようになるわけですね。

「NAVERまとめ狙い」はまだ現実的ではありませんが、例えば4万PV以上を稼いでいる「2分でオンラインストアが開業できる「Stores.jp」がすごい」などを見ると、Googleに対するNAVERまとめの優位性を感じることができます。「有名まとめ職人」が出てきたら、その人に取り上げてもらうことを意識するようになっていくかもしれません。

優良なコンテンツが優良なまとめ人に拾ってもらえるようになれば、NAVERまとめのメディアとしての価値は高まります。コンテンツ量と検索機能が充実していけば、人はGoogleよりNAVERまとめを情報発見ツールとして使うようになる、なんて未来も考えうるでしょう。


「大衆コンテンツ」の天下になるのも、また違う

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その意味で、NAVERまとめは、ウェブに「編集者」を増やしていく試みなのでしょう。編集を民主化する」側面があるのです。

とはいえ、そうした人的な「編集力」で、コンテンツの流通を人間中心にできたとしても、その先に待っているのが「大衆受けするコンテンツしか出回らない」という未来では、まだ不十分です。それは、迎合する対象がGoogleから大衆へ変わっただけでしょう。

実際、最近のデザインリニューアルで幾分その印象は薄れましたが、NAVERまとめは、やや大衆性が強いように感じます(ウェブには疎いうちの奥さんですら「NAVERまとめってなんかアニメとかアイドルの画像があるサイトでしょ?」と評価していました)。


世界観を演出できる編集者を増やせるか

NAVERまとめの理想像は、プラットフォーム上に「BLUTUS」「PEN」「an-an」「GQ」「R25」のような世界観のあるメディアを無数に立ち上げることなのかもしれません。それはGoogleには絶対にできない、人間だからできるアートの領域です。

今はまだ全体として「SPA!」のような感じが強いですが(…ごめんなさい笑)、今後は世界観のある「編集」を志向する動きが進んでいくのでしょう。PV至上主義ではない編集者を評価する「ロングヒッター奨励精度」も始まっています。

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中長期に渡ってユーザーのニーズを満たし続ける息が長いまとめの作成を奨励する制度。まとめ作成から3ヶ月後以降のアクセス数が高いことを評価します。

(中略)

今までよりも、流行りや時事ネタにとらわれず、自分の趣味や興味などをまとめたい方はぜひロングヒッター奨励制度を目指してみてくださいね!

NAVERまとめ「ロングヒッター奨励制度」新設 | NAVER公式ブログ


そんなわけでNAVERまとめに注目しています。皆さんのご意見、ご感想などをぜひ下部コメント欄に書き込んでみてください。

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