「白バラのプリンス」と呼ばれた宝塚歌劇団の往年の男役スター、春日野八千代(かすがの・やちよ、本名石井吉子〈いしい・よしこ〉)さんが29日午前10時34分、肺炎のため亡くなった。96歳だった。葬儀は近親者で行い、後日、宝塚歌劇団葬を兵庫県宝塚市栄町1の1の57の宝塚バウホールで開く予定。
神戸市生まれ。宝塚少女歌劇団時代の1929年に初舞台を踏んだ。戦前は「お國歌舞伎」「花詩集」などに主演、39年のアメリカ公演にも参加した。
戦後の46年4月、進駐軍に接収されていた宝塚大劇場の再開第1回公演「カルメン」にホセ役で主演して以来、雪組組長兼主役スターとして宝塚復興の大黒柱に。「南の哀愁」「ハムレット」「虞美人(ぐびじん)」「源氏物語」「君の名は〈ワルシャワの恋の物語〉」など、端正な容姿と気品のある演技で多くのファンを魅了した。