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名城引退 3度目王座失敗/ボクシング

10回、テーパリットのパンチによろめく名城(撮影・田崎高広)
10回、テーパリットのパンチによろめく名城(撮影・田崎高広)

<プロボクシング:WBA世界スーパーフライ級選手権12回戦>◇1日◇大阪・住吉スポーツセンター

 元WBA世界スーパーフライ級王者で同級10位の名城信男(30=六島)が、2度目の王座返り咲きに失敗し、現役引退を表明した。同級王者テーパリット・ゴーキャットジム(23=タイ)に対し、後半に猛攻を仕掛けたが、0-2の僅差で判定負けした。史上5人目の「3度目の王座獲得」は成らず、世界戦4連敗。“侍”と呼ばれたファイターは試合前の「負ければ引退」の宣言通り、リングを去る。

 鬼気迫る名城の猛反撃も、あと1歩届かなかった。ジャッジ3人のうち1人は同点。しかし、残り2人は1点差と2点差で王者に軍配を上げた。0-2の僅差で判定負け。「届かんかったか…」。うつろな目で、非情な結果を聞き入れた。

 前に出るのが遅かった。8回まで王者の左ジャブとストレートに苦しみ、出足が鈍った。9回以降は、打たれても打たれても果敢に突進してポイントを取り返したが、逃げ切られた。「後半はチャンスがあればと思って前にいったんですけど」と唇をかみしめた。

 「負ければ引退」を明言していた。元日本ミニマム級1位で2年前まで現役だった武市晃輔新トレーナーと、実戦形式の練習を積みスピードを強化。7月のキャンプでは1日25キロを走り込んできた。終盤は何度も王者をロープ際へと追いつめた。「自分も絶好調だったし、全力で戦ったので。結果はついてこなかったけど、仕方ない」。悔しさはあるが、力を出し尽くした達成感もあった。

 所属ジムの枝川孝会長は判定を疑問視し「(再戦を)ダイレクトでやらせてくれるのなら」と、現役続行に含みを残した。だが、大一番で敗れた名城の考えは変わらない。「紙一重だろうが、大差だろうが、負けに変わりない。地元の大阪で最高の試合ができた。最高のボクシング人生やったと思います」。憧れの辰吉らに続く「3度目の王座獲得」の夢は消えた。武骨で不器用ながらも、気合と根性で腕を振り回してきた“侍ファイター”は、潔くリングを後にする。【木村有三】

 ◆名城信男(なしろ・のぶお)1981年(昭56)10月12日、奈良市生まれ。奈良工で本格的にボクシングを始める。03年プロデビュー。05年4月に日本スーパーフライ級王座獲得。06年7月には辰吉丈一郎と並ぶ当時国内最速タイのデビュー8戦目で世界王座(WBAスーパーフライ級)獲得。V2戦で陥落。08年9月に同王座決定戦を制して返り咲いたが、V3戦で敗退。身長163センチの右ファイター。家族は妻と1女。

 [2012年9月2日9時7分 紙面から]





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