◇ゴルフ5レディス<第1日>
▽31日、岐阜県・みずなみCC(6537ヤード、パー72)▽曇り、気温32・1度、風速2・2メートル▽賞金総額6000万円、優勝1080万円▽108選手(うちアマ3人)▽観衆2431人
“珍獣”乱入だ。特別天然記念物のニホンカモシカが、突如プレー中の選手たちの目の前に現れた。サルやキツネ、シカなどの例は多いが、カモシカの試合会場出現は珍しい。だが、直接遭遇した服部真夕(24)=LIXIL=は首位と2打差の8位、穴井詩(24)=雄山=も3打差の14位と好発進。案外、幸運を運ぶ使者かもしれない。
服部と穴井、飯島茜の組が9番パー4のセカンド地点に差しかかった時だった。グリーン右奥の山から、見慣れぬ大きな黒い生物がフェアウエーに…。
「最初はイノシシかなって思ったら、カモシカなんですね。ららさん(穴井)の顔をジーッと見て、横切っていきました。私はシカトされました」と証言したのは服部。3メートルまで接近された穴井は「背中を見せてはいけないと思ってたら目と目が合っちゃって。ずーっと見つめながら近づいてきて、怖かった。最後は私が根負けして目をそらしたら、走っていっちゃいました」と説明した。
ニホンカモシカは岐阜県の山岳地域に多数生息しているとされる。同県教委社会教育文化課によると、開催コース周辺の瑞浪市、恵那市、中津川市でも今年に入ってから3体の死体発見報告があるという。
突然現れた珍獣に、24歳の乙女心はどれだけ動揺したことか…と思いきや、服部はそのホールで残り104ヤードをピンそば1メートルにピタリとつけてバーディー奪取。「カモシカ、ゲンがよかったのカモ?」。一方の穴井は110ヤードを9番アイアンでグリーンオーバーしてボギーをたたき「悔しい! でも自分の責任。カモシカのせいにはできません!」と、シカめっ面だ。
頼もしき乙女たち。残り2日間も、木陰から見守るカモシカ君にスーパープレーを見せてあげてくださいな。 (月橋文美)
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