北九州市小倉北区で１日未明、飲食店経営の女性（５５）が刃物を持った男に顔と腹部を切られ大けがを負う殺人未遂事件が発生した。同市では８月３０日未明にもスナック従業員の女性（４４）が何者かに切られて重傷を負う事件が起きており、福岡県警は関連を調べている。
小倉北署によると、１日午前１時半頃、女性から「おなかを刺された」と１１０番があった。居住先のマンションに向かった署員は、１１階の通路で座り込む女性を発見。女性はエレベーターを降りて自宅へ向かう途中、背後に人の気配を感じて振り返ったところを突然襲われた。左頬を１０数センチと左脇腹を約２０センチ切られたが、命に別条はない。
エレベーターと女性の部屋の間には階段があり、同署は階段付近に男が潜み、女性を待ち伏せしていた可能性が高いとみており、防犯カメラの解析などを進める。
同じマンションに住む主婦（４４）は「ギャーという声に子供が気付き、自分が外を見ると、血だまりの中で女性がぐったりとうなだれていた」と振り返る。応急処置をする主婦に、女性は「帽子をかぶって迷彩服を着た男に刺された」と話したという。
３０日の事件では、八幡西区の雑居ビルでスナック従業員が何者かに刃物で頬を切られ、腰を刺されて重傷を負った。市内では、県暴力団排除条例で規定された「暴力団員立ち入り禁止」の標章が張られた店舗が入居するビルへの放火事件が相次いでおり、女性が勤務するスナックにも標章が張られていた。
今回の被害者が経営する飲食店は標章を張っておらず、女性はトラブルについて「心当たりがない」と話している。