浅漬け:食中毒の危険はどこに?
毎日新聞 2012年09月01日 11時28分(最終更新 09月01日 11時49分)
浅漬けが原因とみられるO157の食中毒では、05年の香川県の6人死亡、00年の埼玉県の1人死亡などの例がある。食の安全に詳しい西薗大実(ひろみ)・群馬大教授(衛生化学)は、洗浄や消毒が不十分だと「浅漬けは菌を培養しかねない」と指摘する。
まず、塩によって野菜から出る水分や調味液など、菌が繁殖しやすい水分がある。また浅漬けは塩分が低く、菌の増殖抑制効果が小さい。保存が利く漬物と思われがちだが、全日本漬物協同組合連合会の脇坂文一・専務理事は「保存食とは言えない」と断言する。北海道大大学院農学研究院の浅野行蔵教授(応用菌学)は「加熱も発酵もしておらず、むしろ生のサラダだと思った方がいい」。たくあんなど一般的な漬物は、パック後に加熱殺菌されるが、浅漬けは食感を損なうため、加熱もされないという。