浅漬け製造施設:7割が未消毒…原材料の野菜 北海道検査
毎日新聞 2012年09月02日 00時44分(最終更新 09月02日 00時55分)
白菜の浅漬けが原因とみられる病原性大腸菌O157の集団食中毒を受け北海道が実施した漬物業者の立ち入り検査で、浅漬け製造施設の約7割が原材料を塩素溶液などで消毒していないことが1日分かった。消毒を実施していても消毒液の濃度管理を怠っていた施設も8施設あり、道は改善を指導。今月中にも改善確認のため再検査する。原材料の消毒は厚生労働省の衛生規範に明記されていないが、全国の漬物業者でつくる業界団体の製造・衛生管理マニュアルで推奨されている。
道立保健所は8月20〜30日、道から漬物製造の許可を受けている565施設のうち、現在製造している388施設を立ち入り検査。浅漬けを製造しているのは116施設で、85施設(73.3%)が原材料を消毒していなかった。また、86施設(74.1%)が従業員の検便をせず、84施設(72.4%)が製品の自主検査をしていなかった。
集団食中毒は、感染源とみられる浅漬けを製造した「岩井食品」(札幌市西区)が材料の白菜などを十分消毒しなかったことが原因とみられている。【岸川弘明、吉井理記】