◎マッキーの「海の常識」

 第8回目「「波」と「うねり」、どう違うの?」(2月2日放送)

 

 海上で風が吹くと、海面の水が動き出し、やがて波となります。波は、「風浪」(浪花節、浪曲の浪)と「うねり」に分けることができます。この二つを合わせて、「波浪」といいます。天気予報でよく聞く、波浪注意報がよい例です。(その意味では、きょうの表題の「波とうねり」という使い方は、正確ではありません。Sorry!)

@ 風浪

 風の力で直接起こる波のことを風浪といいます。風浪は、風の強さ、吹く時間、吹きわたる距離に比例して、成長します。風浪の方向は、風の方向と同じです。風浪の個々の波は、尖っていて不規則(風が息をしている)です。

波高1.5mというときの波の高さとは、「有義波高」(有意義の意なし)のことをいいます。有義波高とは、一定時間観測したまちまちの波を波高の高い方から順に3分の1を選び、平均したもので、架空の波です。一般に波高といえば、有義波高をいいます。架空の波ですから、実際の波高は、数10cmの場合もあるし、時に2倍の3m以上の場合もあります。(100波に1波は1.5倍、1000波に1波は2倍)。お正月以外でも海に出かける際は、予報の倍以上の波もあることを念頭に、万が一に備え、出かけられるようお願いします。

A うねり

 風が止んだり、風向きが変わった後で海面に残った波や、風の吹かないはなれた海面に伝わった波を、うねりといいます。波の山は丸みを帯び滑らかで、規則的となります。うねりの代表格は、夏の土用波で、はるか南方の台風により発生した波が、日本沿岸に到達するものです。うねりは、次第に減衰し、やがて消滅しますが、水深の浅い海岸などで急激に高くなることがあり、気象観測が十分でなかった昔は、恐れられたようです。

B       参考 

波は、海の水が移動している訳ではなく、上下動をしています。サッカー場の「ウェーブ」と同じです。(観客が上下している)。また、風浪は、一方向からですが、うねりは、2以上の方向から来ることがあります。 

では、おさらいです。「波は風浪とうねりに分けられ、風浪は、風の吹いている海面でおき、うねりは、風浪が遠くに伝わったもの」です。

おさらいPart 2。風浪とうねりどちらがイライラしているか? 答えは、風浪。理由、(波の山が)尖っている。

以上、マッキーの「海の常識」でした。次回は、「航海の仕方」です。では、「ボンボヤージュ!」。