◎マッキーの「海の常識」
第16回目「船のあかり」(5月25日)
船は、夜(日没から日出まで)になると、あかりを点灯します。あかりを「灯火」といいます。航海中に点灯する灯火を「航海灯」といい、停泊中に点灯する灯火を「停泊灯」といいます。これらの灯火の色、見える範囲、場所などは、「海上衝突予防法」という法律で、決められていて、灯火は、船の衝突の予防のために付けられています。また、灯火は、世界共通です。
@ 停泊灯
船が、海底に錨で繋がっている時、埠頭にロープで繋がっている時などを、「停泊」といい、停泊灯は、前部と後部のマストに、白灯各1個からなります。見える範囲は、全周囲から見ることができます。前部の灯火が後部のものより高くなっています。
A 航海灯
船は、停泊していない時は、航海中となります。たとえば、エンジンを停めて、波のまにまに漂流させて、船が航海していなくても、航海中となります。航海灯は、全部で5個の灯火からなります。マスト灯2個、舷灯2個、船尾灯1個です。
(@) マスト灯 前部と後部のマストに、白灯各1個からなり、見える範囲は、船の横から前方寄りにかけて見ることができます。前部の灯火が後部のものより低くなっています。船の横から後方寄りでは、マスト灯は、見られません。
(A) 舷灯 船橋付近の両舷に、右舷に緑灯1個、左舷に赤灯1個、の一対の灯火からなり、見える範囲は、船の横から前方寄りにかけて見ることができますが、ただし、右舷の灯火は、左舷からは見られません。同じく、左舷の灯火は、右舷からは見られません。船の横から後方よりでは、舷灯は、見えません。ちなみに、飛行機でも、主翼の先端に、同じ色の灯火が着いています。
(B) 船尾灯 船尾の中央に、白灯1個があり、見える範囲は、船の横から後方寄りにかけて、見ることができます。船の横から前方寄りでは、船尾灯は、見られません。
船のあかりは、以上のとおりですが、衝突防止からは、見える範囲がポイントとなり、灯火がどのように見えるかで、船の動静を判断します。正面で行き会う場合は、灯火は、白灯が縦に2個、左に緑灯、右に赤灯が見えます。この時は、お互いに右転して、進路を避けます。進路が交差している場合は、白灯が横に2個、緑灯か赤灯のどちらかが見えます。低い白灯が船首で、船はその方向に進んでいます。白灯2個の間隔で、交差の角度がわかります。この時は、赤灯を見た船が、右転して進路を避けます。前方に白灯1個が見えたときは、同じ方向に進んでいる場合なので、十分に遠ざかって追越します。
では、きょうのおさらいです。「陸上でも海上でも、赤い灯火は、危険信号」でした。
おさらいpart
2。「船には、りんごやなしはないが、ももはある。(白い灯火の白灯と果物の白桃)」 以上、マッキーの「海の常識」でした。次回は、「船のスリーサイズ」です。では、ボンボヤージュ!