◎マッキーの「海の常識」
第38回目「船の運転免許証その2 小型船」(3月29日放送、最終回)
前回は、総トン数20トン以上の大型船の運転免許証、「海技免状」について話ましたが、きょうは、小型船の運転免許証、「小型船舶操縦免許証」について、説明します。
まず、小型船とは、@総トン数20トン未満の船、となりますが、例外として、A総トン数20トン以上の船であっても、一人で操縦でき、レクリエーション用の、長さ24m未満の船、も小型船となります。簡単に言うと、ボートやヨット、水上オートバイのことです。
免許証の名称ですが、大型船は海技免状と言いますが、小型船も昔はそう言っていました。今の、小型船舶操縦免許証という呼び方は、数年前に法律が改正されてからです。
小型船の運転には、大型船と同様に、法律で定められた資格が必要です。これを、小型船舶操縦士の免許(操縦免許。俗に「ボート免許」ともいう)といい、ボート、ヨット用免許の「1級」(外洋免許)と「2級」(沿岸免許)、水上オートバイ用免許の「特殊」の3種類があります。更に、2級には、総トン数5トン未満で、湖や川、湾内などの限定水域で、エンジン出力が15kw(約20馬力)未満に限定された、「湖川小馬力限定」の区分があります。
1級や2級の操縦免許では、水上オートバイは操縦できません。これは、車の場合の、普通免許と自動二輪免許と似ています。
ちなみに、操縦免許がなくても運転できる小型船もあります。それは、@エンジンがある場合は、長さが3m未満で、エンジン出力が1.5kw(約2馬力)未満で、かつ、非常停止スイッチなどの装置のある船となります。また、Aエンジンのない場合は、総トン数5トン未満の船(手漕ぎボートやヨット)となります。
操縦免許を取得するには、小型船舶操縦士試験(操縦試験)に合格しなければなりません。操縦試験は、身体検査、学科試験、実技試験からなります。受験には、独学のほか、小型船舶教習所で学科と実技の課程を修了する方法もあり、教習所の課程を修了すると学科試験と実技試験が免除となります。操縦試験に合格すれば、操縦免許証が交付されます。
操縦免許証の有効期間は5年で、1年前から更新手続きができます。
さて、小型船の船長には、七つの遵守事項が義務付けられています。@酒酔い操縦の禁止、A免許者の自己操縦、B危険操縦の禁止、C救命胴衣の着用、D発航前検査の実施、E見張りの実施、F事故時の人命救助、です。遵守事項のうち、@〜Cについては、行政処分の対象となります。違反すれば、@〜Bは3点、Cは2点(死傷事故を伴う場合は、@〜Bは6点、Cは5点)が加算されます。過去3年の処分前歴がなければ、過去1年以内の合計点数が5点に達すれば、6月の業務停止又は戒告の行政処分が課されます。
きょうのおさらいです。「小型船の運転免許証は、小型船舶操縦免許証といい、外洋の1級、沿岸の2級、水上オートバイの特殊の3種類がある。免許は終身有効だが、免許証は5年有効で、更新は1年前から。」おさらいPart 2「ボート免許で、ボートやヨットに乗るからといって、ぼお〜っとしても、酔ってもいけない。気を引き締め、飲酒を控えて乗らないと事故のもと。」
以上、「マッキーの海の常識」でした。実は、きょうが最終回となります。38回目の放送なので、「嘘の三八」だろう、なんてこともありません。今回で本当に終わりです。永らくお聞きくださり誠に有難うございました。いつか、どこかで、お会いできることを楽しみに、ボンボヤージュ!