◎ マッキーの「海の常識」
第2回目「水平線はどこまで見えるの?」(11月3日放送)
高岡市の国分に、「岩崎ノ鼻灯台」があります。この前の日曜日の10月31日に、11月1日の第136周年の灯台記念日を祝して、一般公開されました。灯台の中の階段を、水面上58mのてっぺんに上ると、海がはるかかなたまで続いていて、水平線がやや丸く見えたことと思います。
さて、この はるかかなたに見える水平線、果たして、実際は、どれくらいの距離まで見えているのでしょうか?そんなこと考えたこともない、という人が大半だと思います。
では、答えです。水平線の見える距離は、2.1×√H(マイル)で計算できます。Hは、自分の目線の高さ(m)です。(専門用語では、「眼高」といいます。)
たとえば、高さが58mある「岩崎の鼻灯台」では、2.1×√58で、約16マイル、kmでは、「1.852」をかけて、28.6kmとなります。
また、海水浴場などの浜辺では、目線はせいぜい2mくらいですので、2.1×√2で、2.9マイル(5.4km)となります。
ここで、応用問題です。水平線の向こう側から近づいてくる船は、どれ位の距離になれば、見えるでしょうか?
答えは、単純に次のとおりです。2.1×(√H1+√H2)です。H1は自分の目線の高さ、H2は船の高さ、です。これは、自分と船の双方が水平線をはさんで対峙していると考えれば、わかり易いと思います。たとえば、マストの高さ36mの船を、目線4mの位置から見るとすると、2.1×(√4+√36)で、16.2マイルとなり、自分の位置から16.2マイル(30km)のところに船が近づいたら、船のマストのてっぺんが見えるということとなります。もちろん、船全体は、水平線上に来ないと見えないので、2.1×√4、4.2マイル(7.8km)で、見えることとなります。
ついでながら、水平線の見える距離の計算式は、地平線のそれと同じです。
では、水平線の距離を、遠いと思うか、近いと思うか、それは個人のロマンということにして、きょうの「マッキーの「海の常識」」は、これで終わります。次回は、「面舵、取舵、ようそろう!」です。お楽しみに!!
PS 1.852の覚え方 カレンダーの一日の欄を縦にみると、1、8、15、22日となっており、一の位を順に読んでいくと、1,8,5,2となり、簡単に思い出せます。