独製薬会社、50年目の謝罪=「不十分」と被害者―サリドマイド薬害
時事通信 9月1日(土)20時2分配信
【ロンドンAFP=時事】世界的な薬害を引き起こした医薬品「サリドマイド」を製造するドイツの製薬会社グリュネンタールのハラルト・シュトック社長は8月31日、独西部シュトルベルクでの式典で、被害を受けた「母親と家族への心からの痛恨」を表明し、薬害から50年で初めて被害者に謝罪した。社長は被害者に対し「長期に及んだ沈黙は、われわれの受けた衝撃の証しと考えてほしい」と理解を求めた。
サリドマイドは1950年代から、つわり止めなどとして妊婦に服用された。その結果、全世界で推定1万人の子供が両腕を失うなど障害を持って生まれることになった。約50カ国で販売されていたが、60年代初めには市場から回収された。
謝罪は、同社が拠点を置くシュトルベルクで、サリドマイド被害者の記念碑除幕式に際して行われた。謝罪と合わせ「被害者との対話がどれだけ重要か学んだ」と反省の弁を述べた。
これに対し、英国の被害者団体「英サリドマイド・エージェンシー」は「言葉ではなく行動を」と述べ、謝罪は不十分と表明した。薬害をめぐる英国での法廷闘争で知られるオーストラリア人被害者リネット・ローさんも代理人を通じ「計算高い企業戦略に基づき、道徳的、法的、経済的結果から目をそらしてきただけだ」と50年の沈黙を批判した。
最終更新:9月2日(日)0時5分
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