'12/8/30
帳簿と1億8000万円合わず
呉市が3月末で廃止した市交通局で、金庫室に保管していたバスカードや回数券が帳簿よりも約1億8千万円分少なかったことが29日、分かった。市はずさんな帳簿管理が原因とし、不足分の多くは誤記載などと判断。ただ、約4千万円分は書類が既になく、説明がつかない状態になっている。
旧交通局は、千円や5千円などの回数券、バスカードなどを金庫室で保管。担当者が出し入れする度に帳簿に記載する仕組みになっていた。
交通局が廃止となった3月末時点で、帳簿の回数券やカードは約22万6000枚となっていたが、金庫室には約15万5千枚しかなかった。金額換算すると不足分は約1億8千万円になる。
歴代担当者が回数券の払い出しなどをした時に帳簿記載をしなかったり、在庫数を書き間違えたりしていた。在庫と帳簿の数が合わないと気付いていたのに上司へ報告しないなど、ずさんな管理態勢が長年続いていた。
10種類以上ある回数券、バスカードの大半で帳簿と在庫の数が合っておらず、市は少なくとも2005年度ごろから帳簿の内容は正確でなかったと推測。金庫室に残った枚数が正しいと判断せざるを得ないとしている。
交通局に対しては、市監査事務局が年一回定期監査を実施していたが、問題は発覚しなかった。今年2月の定期監査は交通局の廃止を控えていたこともあり、一部回数券などを抽出して帳簿と照合。大幅に数が合わないことが判明した。市は30日の市議会委員会で一連の経緯を報告する予定だ。