大震災:遺体の身元特定、似顔絵が一助に

毎日新聞 2012年08月30日 12時40分(最終更新 08月30日 13時53分)

「渡辺さんが目を開けてくれたから、姉と分かったんです」。田中政彦さんは今も遺影と似顔絵を大切に持ち続けている=安藤いく子撮影
「渡辺さんが目を開けてくれたから、姉と分かったんです」。田中政彦さんは今も遺影と似顔絵を大切に持ち続けている=安藤いく子撮影

 東日本大震災の身元不明遺体は岩手、宮城、福島の被災3県で計232人(28日現在)にのぼる。手がかりが日々少なくなる中、身元特定の一助になっているのが、警察官が遺体の写真を基に描いた似顔絵だ。岩手県大槌町の田中恵美子さん(当時56歳)も震災から1年以上過ぎて似顔絵から身元が分かった。

 「ほら、そっくりでしょ」。田中さんの弟政彦さん(55)=岩手県矢巾(やはば)町=は、経営するラーメン店の厨房(ちゅうぼう)に飾った遺影とレジ脇に置いた似顔絵を並べてみせた。「安置所の遺体は目を閉じていたので、姉と分からなかった。でも似顔絵は目が開いているから、すぐに間違いないと思った」

 田中さんは津波で駅舎ごと流失したJR大槌駅前で、ピアノ教室を開いていた。両親は他界し、1人暮らしだったという。唯一の肉親の政彦さんは震災2日後、遺体安置所へ足を運んだ。姉はそこに安置されていた。少なくとも2回は遺体を見たはずだったが、見分けられなかった。

 政彦さんは昨年夏、脳出血で車の運転ができなくなり、姉を捜すのを諦めかけていた。しかし、今年6月下旬、何気なく開いた新聞に掲載されていた似顔絵を見て、「姉だ」と確信した。

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