【北陸発】並行在来線 三セク会社「三兎追う」 新幹線開業へ 県庁で正式設立
二〇一四年度末の北陸新幹線金沢開業でJRから経営分離される並行在来線(現JR北陸線)を運営する県などの第三セクター会社「石川県並行在来線株式会社」が二十八日、登記を済ませ正式に設立された。県庁八階の新幹線・交通対策監室前に会社看板を設置。九月三日にJRと県からの出向社員十四人に辞令を交付し、開業準備を本格化させる。(室木泰彦) 会社は資本金の七割を出資する県主導。同社取締役会長に就いた谷本正憲知事と、県OBの七野利明社長、JR西日本出身の山岸勝副社長が看板を設置。谷本知事は「安全輸送と利便性確保、経営安定の三兎(と)を追うが、県民のサポートもお願いしながらハードルを越えたい」と決意を語った。会社は当面県庁に置くが、一四年度末開業に向け、一定のスペースが確保できる場所へ移転を計画している。 民間と県内全市町の協力で来夏に二十億円まで増資し本格会社に移行。その際に県民から募集する会社名に変更する。来年四月新規採用の高校卒業予定者十人ほどの募集を九月五日に始め、数人採用の大学卒業予定者らの試験も十一月までに行う。自前社員が育つまでJR出向社員に協力を求め、最終的に百人規模まで増やす方針。 在来線経営は現時点の県試算で開業十年で累計二十億円の赤字が予想され、運賃で解消する場合は27%値上げが必要な厳しい見通し。県は開業前にも試算し運賃決定につなげる。来年度の冬ごろに鉄道事業許可申請を行う。 PR情報
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