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北京で3日間にわたった日本と北朝鮮の外務省課長級協議が終わり、両政府は今後、日本人拉致問題などを話し合う方向で合意した。9月中にも局長級協議が開かれる見通しだ。拉致問題[記事全文]
日本の宇宙開発を進める体制が新しくなった。司令塔機能を強くし、国全体で戦略的に進めるのがねらいだ。心配なことがある。有識者による宇宙政策委員会のこ[記事全文]
北京で3日間にわたった日本と北朝鮮の外務省課長級協議が終わり、両政府は今後、日本人拉致問題などを話し合う方向で合意した。9月中にも局長級協議が開かれる見通しだ。
拉致問題について、北朝鮮は08年8月に再調査を約束した。だが、その後すぐに調査を一方的に先送りし、以来、政府間協議は途絶えていた。
今後の協議で、北朝鮮がどういう態度に出てくるかは、まだわからない。とはいえ、これまでのかたくなな態度を考えれば、ともかく協議のテーブルについたことは前進だ。
拉致問題は日本人の生命がかかった極めて重要な懸案だ。時間はかかるかもしれないが、北朝鮮が再調査にとりかかり、日本側が納得できる結果を出すよう求めたい。
もちろん、日朝間で解決すべき課題はそれだけではない。
終戦前後に北朝鮮で死亡した日本人の遺骨返還や、北朝鮮に渡った日本人妻の帰国などの人道問題、核・ミサイル開発をふくむ安全保障、そして戦後処理にからむ国交正常化――。
こうした案件を、包括的に話し合っていく必要がある。
北朝鮮にしても、メリットがなければ日本との交渉には乗り出すまい。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が食糧事情の改善を重要課題に掲げていることを考えれば、何らかの支援を求めてくることは予想できる。
こうした双方の狙いにどう折り合いをつけていくか。一筋縄ではいかぬ難しい交渉になるだろうが、担当者には粘り強くあたってほしい。
一方、日朝2国間の交渉だけでは問題は解決しない。北朝鮮の核開発についての6者協議のメンバー、とりわけ韓国との連携は欠かせない。
この点からも、日韓関係のこれ以上の険悪化は避けなければならないのは明らかだ。
今回の北朝鮮による日本へのアプローチは、金正恩体制が国内的には一応落ち着き、対外関係に目が向いてきたことの表れと見ることができよう。
協議での北朝鮮の出方には、正恩氏の意向が色濃く反映されるだろう。
新体制が対外開放に向かっていくのか、それとも故金正日(キム・ジョンイル)総書記の軍事優先路線をかたくなに守り続けるのかを見極める機会にもなる。
指導者の代替わりは、変革への好機である。過大な期待は禁物だが、これからの協議を通じて、閉ざされた体制を世界に開くように促す努力も惜しむべきではない。
日本の宇宙開発を進める体制が新しくなった。司令塔機能を強くし、国全体で戦略的に進めるのがねらいだ。
心配なことがある。
有識者による宇宙政策委員会のことだ。政府全体の総合調整を担う宇宙戦略室とともに内閣府に設けられた。
葛西敬之・JR東海会長を委員長に、宇宙飛行士の山崎直子さんら合計7人が決まったが、そこでの議論が「原則非公開」とされている。
古川元久・科学技術政策担当相は、「外交・安全保障や国際戦略を踏まえた」という。
だが、幅広い宇宙活動のなかで安全保障に関わる部分は、ごく一部にとどまる。公開を原則として、問題があればその部分だけ非公開にすればよい。
日本学術会議は「我が国の宇宙政策のあり方と宇宙科学の推進について」との提言を6月に発表し、政策委員会の議論を原則として公開するよう求めた。自由な議論と公平な評価こそが躍動感のある発展をもたらす、と諭している。
前身である宇宙開発委員会は1968年にでき、最近は原則公開で行われてきた。廃止に当たって集まった歴代の委員長たちも、公開で議論してきた意義を語った。
開かれた議論が大切な理由はいくつもある。
まず、宇宙での活動は幅広い。ロケットの打ち上げはもちろん、気象衛星や通信などの実用分野から地球観測、さらには小惑星探査機はやぶさの活躍で注目された宇宙科学研究や、日本人宇宙飛行士が滞在中の国際宇宙ステーションもある。国民の理解と支持が欠かせない。
とりわけ巨費を要する有人活動などの大型計画は、何をどのように進めるか、国民的な議論を経る必要がある。
一方、宇宙は挑戦の場でもある。それを生かすには、新たな発想が大切だ。広く関心を呼び起こして、裾野を広げなくてはならない。
世界の宇宙開発はいま、転機にある。
米国ではスペースシャトルが引退し、国際宇宙ステーションへの往復は、民間に託された。米航空宇宙局(NASA)は、現在進めている火星探査のような、国でなければできない計画に力を入れる。
火星の有人探査などの巨大計画には国際協力が欠かせず、話し合いも始まりつつある。
日本がもつ強みを生かして、ともに将来につなげよう。開かれた議論で、新しい宇宙開発の姿を探るべきだ。