日本の政界で、民主党指導部や安倍晋三元首相(自民党)が従軍慰安婦問題に関する日本政府の責任を否定したことをめぐり、国際社会に対する重大な挑戦だとの批判が出ている。
国連は2008年、加盟国の参加の下で慰安婦問題に対する調査を行った。同年10月、国連のB規約(市民的および政治的権利)人権委員会が採択した報告書は「日本政府は第2次世界大戦中の『慰安婦』制度に対する責任を認めておらず、加害者を訴追していない」と指摘した。その上で「日本政府は法的な責任を認め、被害者の大半が受け入れ可能で、彼らの尊厳を回復させるような方法で率直に謝罪すべきだ」と促した。
同報告書は具体的に▲全ての生存者に対する適切な補償▲生徒や一般人に対する慰安婦問題の教育▲被害者を中傷または事実を否定する行為に対し制裁措置を取ること-を要求した。
また、09年には国連の女性差別撤廃委員会も日本政府の慰安婦問題に関する責任を指摘し、被害者への補償を促した。
これに先立ち、米下院は07年に採択した「下院121号決議」で、日本政府に慰安婦問題の解決を促した。同決議は「日本政府による強制的な軍隊売春制度『慰安婦』は、残虐性と規模において前例のない20世紀最大規模の人身売買の一つだ」と批判。また「日本の公共・民間関係者の中には、慰安婦の苦痛に対する政府の真摯(しんし)な謝罪を盛り込んだ1993年の河野洋平官房長官による談話を弱めようとしたり、撤回させようとしている人がいる」と懸念を示した。
慰安婦問題と関連し、韓国外交通商部(省に相当)の趙泰永(チョ・テヨン)スポークスマンは今月29日に発表した声明で「近ごろ日本の一部の指導者が、被害者の苦痛と国際社会からの厳しい指摘から目を背けている。歴史に目をつぶる国に未来はない」と日本政府を批判した。