歴史問題、日本で「談話」修正論が浮上する背景

 現在の日本社会のムードでは、安倍元首相が首相に返り咲き、三つの談話の見直しを実現する可能性も否定できない。もし安倍元首相が9月に行われる自民党総裁選で勝利し、自民党が11月ごろにも行われるとみられる解散総選挙で第1党になれば、安倍元首相は首相に指名される可能性がある。与党民主党は支持を失っており、自民党の第1党への浮上が確実視される状況だ。安倍元首相は総裁選よりも、総裁選以降の連立政権樹立に関心を示すほど、政権交代に自信を見せている。自民党が総選挙で第1党になっても、単独過半数を得るのは難しく、連立は避けられない。安倍元首相が橋下大阪市長と会談するなど、連帯を模索しているのはそのためだ。大阪維新の会は総選挙で第3党になることが有力視されている。

■三つの談話

◆宮沢談話(1982年)=文部省(現文部科学省)が教科書検定で韓国独立運動の「三・一運動」を「デモと暴動」、過去の「侵略」を「進出」に修正することを決めた事実が明らかになり、外交的摩擦が生じたことを受け、宮沢喜一官房長官(当時)が発表した談話。教科書検定基準に「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」とする「近隣諸国条項」を加えた。

◆河野談話(1993年)=河野洋平官房長官(当時)が従軍慰安婦の強制連行に軍と政府の直接、間接の関与があったと指摘した談話。「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が関与した」と発表した。その上で、河野長官は従軍慰安婦の人たちに「心からおわびと反省の気持ちを申し上げる」と述べた。

◆村山談話(1995年)=村山富市首相(当時)が太平洋戦争の終戦50周年を迎え「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」とし「痛切な反省の意を表し、心からのおわびの気持ちを表明する」との談話を発表した。日本の植民地支配を最も積極的に謝罪したと評価されている。

東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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